今回のヒーローは、宮城に移籍し、今シーズン大きく飛躍したこのプレイヤー、
プロバスケB1リーグ仙台89ERSで大ブレイク、阿部諒選手です。B1島根から移籍し、すぐさま仙台のエースに。その成長の裏には、彼を応援するブースターと家族の存在がありました。

藤田ヘッドコーチとの出会い

仙台89ERS 阿部諒選手:
「なにしろセオさん(藤田弘輝・前ヘッドコーチ)に出会ったこともすごく良かったと思いますし、このチームメイトだからこそここまでこれたので、仲間に恵まれたシーズンだった」

TBC

藤田・前ヘッドコーチが目を付けたのは、阿部選手のオフェンス力。3ポイントの精度に加え、豊富な運動量と相手の裏をかく視野の広さ。キャリアハイ更新を重ね、日本人チームトップの得点数を記録しました。
新エースの誕生に仲間も呼応、指揮官の采配はズバリ的中し、阿部選手はナイナーズの新たな柱として存在感を発揮しました

阿部選手と藤田・前ヘッドコーチ

仙台89ERS 阿部諒選手:
「やはりセオさんのバスケットに順応できたことが一番力を発揮できたことだと思いますし。セオさんは日本人のアタックが必要だと話をしていて、その中で一番の先頭になってやってほしいという言葉を頂いたので、すごい信頼してボールを預けてくれた。チームメイトも僕にボールを預けてくれたことが少しずつ結果に出てきた」

ファミリーの力

バスケ人気と共に宮城でも増加中のブースター、様々な世代がアリーナに駆け付けます。

その中に全員がアベチャンファンというグループ。驚くべきつながりが…。

TBC

フェイスブックでの阿部選手ファンの会 会員:
「フェイスブックの会がありまして、それの会員です 」
「アベチャンのいいころをあげたらお父さんからオファーがきて」
「阿部選手のお父さんが作られた会です」

TBC

なんと阿部選手の父、剛三さんが息子のファンクラブを設立しました。前所属の島根時代から募った会員は150人を超えたとのこと。

阿部選手の父・剛三さん:
「千葉にもありますので。その千葉、島根松江の方とそしてこちらの仙台と この地区同志で交流ができて、また大きな輪ができればいいかなと思うんです。ブースターさんと私は応援する立場では変わらない、同じです」

TBC

そんな父・剛三さんを阿部選手はどのように思っているのでしょうか。

仙台89ERS 阿部諒選手:
「親ばかなんじゃないですか、ここまでやって。皆さんに仲良くしてもらってるんでうれしいっていうか、なんていうか。オヤジにはちょっと黙っててほしいっていう部分はありますけど。でも4兄弟を育ててもらったんで、その恩返しができたらいいなという気持ちで、グッと我慢しながら」

父・剛三さん、ファンと一緒に必勝祈願

さらにその交流はSNSだけに留まりません。
剛三さんとファンクラブの会員が、一緒に訪れたのは勝負の神を祀る秋保神社です。剛三さんは、ファンと一緒にチームの勝利を祈願しました。

TBC

剛三さんの人柄もあり、さらに広まるアベチャンの輪。まさにファミリーです。

仙台89ERS 阿部諒選手:
「本当に仙台のブースターさんは、やっぱりわかってるな!という印象。それはホームゲームの時にもここ一番、この前の北海道戦も最後の方とか、何本かは本当にブースターさんのおかげで止められたシーンがあるので」

TBC

4月21日の大接戦となった北海道戦。この日、ブースターの歓声が、チームに勝利を呼び込みました

仙台89ERS 阿部諒選手:
「本当にブースターさんのおかげで、何試合か勝ちを拾えた試合があったと思うので。6人目のディフェンダーだと思ってます」

ホーム最終戦は…

4月28日、阿部選手の父、剛三さんも地元千葉から駆けつける中、ナイナーズはホームでの最終戦に臨みました。

会場には剛三さんの姿も

アベチャン会のみなさんも、そろって観客席に。ブースターと共に闘ったシーズンの総決算には、対する茨城からも大勢のブースターが詰めかけ、応援合戦に。

アベチャン会の皆さん

今シーズンは阿部選手の活躍もあり、大幅に勝ち星を増やしたナイナーズ。B1の舞台でも安定して戦える底力を示しました。

この日は茨城のリードが続いたものの、第3クォーターからナイナーズが反撃を開始。
阿部選手がスリーポイント。第4クォーターで一気に追い上げ、茨城の背中をとらえます。ブースターと共に、ここから一気に逆転へ…。

しかし、最後は相手に逃げ切りを許しホーム最終戦は黒星。
今シーズンのナイナーズは27勝33敗、チーム目標の30勝には届きませんでした。

仙台89ERS 阿部諒選手:
「満足はしていない。チームとして30勝という目標があった中で、それが達成できずに終わったことは、僕自身のレベルの低さをすごい感じた。もっともっとチームを勝たせられる選手になれたら、30勝以上できたんじゃないかって本当に痛感しました」

TBC

阿部選手の父・剛三さん:
「ひとこと残念です。でも4000人の人がホームで勝ってくれと、熱くみんなで応援したという時間、瞬間だけは絶対忘れられない。人生だって望んでも手に届かないものってのがありますから。それでへこたれるんじゃなくて次にまた頑張っていこうということで、また力を合わせていこうと思います」

阿部選手、父として、プロとして

阿部選手の好きなアーティストを聞いてみました。

仙台89ERS 阿部諒選手:
「最近、嫁がSUPER BEAVERにはまっていて僕も聞いています。ありがとうって曲があるんですけど、それがすごい好きです」

ありがとう、それは感謝の言葉です。

シーズンを終えた阿部選手、待ち構えていたのは大勢の子供たち。親子バスケ教室です。自身も小さい子ども2人を育てるひとりの父親として、阿部選手自ら、このイベントを企画したとのこと。

TBC

仙台89ERS 阿部諒選手:
「僕自身も子供が生まれて。子供が生まれてから、やっぱりこうやって子供の接し方って少しずつわかってきてるので、それが今日発揮できたのがよかったと思います」

その実直さとひたむきさでブースターに愛される「アベチャン」、周りに支えられてこその成長、感謝の心が彼の原動力です。子供たちに語りかけます。

TBC

仙台89ERS 阿部諒選手:
「ここに連れてきてもらったことに、しっかりありがとうって、お家に帰って言ってください 分かった?」

新天地での飛躍、阿部選手のチャレンジは始まったばかりです

仙台89ERS 阿部諒選手:
「子供がふたりいるなかで、親父がどんな仕事をしてたのかっていうのを物心つくまでは覚えてもらえるまでは、頑張ってやっていきたいなって。そのためには僕自身もっともっとステップアップしなきゃいけない部分もありますし。あとはやっぱり優勝っていうタイトルっていうのも自分自身の価値をひとつ上げるものだと思うので、それを取れるように日々練習していくだけだと思います」

TBC

【tbcテレビ ヒーローインタビューより】