ナダルがマドリードOPで16強
現地4月29日、男子ツアー「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/ATPマスターズ1000)シングルス3回戦が行われ、同大会を5度制しているラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク512位)が、3時間4分の激闘の末にペドロ・カチン(アルゼンチン/同91位)を6-1、6-7(5)、6-3で下し、ベスト16入りを果たした。



今年6月で38歳となるナダルは、昨年から2024年シーズンがキャリア最後の年になると示唆。1月のATP250ブリスベンを戦ったものの再び休養。最多12度制した「バルセロナ・オープン・バンコ・サバデル」(スペイン・バルセロナ/ATP500)で3ヵ月ぶりにツアーに戻ってきたばかりで、今大会まででわずか5試合しかプレーしていない。

母国スペインで行われるビッグタイトルを迎え、1回戦で16歳のダーウィン・ブランチ(アメリカ/同1028位)を6-1、6-0と圧倒。2回戦では第10シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同11位)を7-6(6)、6-3で撃破し3回戦に進んだ。

この日は唯一のタイトルをクレーコートで挙げているカチンと対戦。ナダルらしい高い弾道のストロークで相手のミスを誘ってラリーの主導権を握る。ピンチを迎えることなく計3度のブレークに成功し第1セットを6-1で奪取したものの、第2セットは追いかける展開となり、タイブレークを取り切れず最終セットまでもつれた。

観客の後押しを受けるナダルは、最終セットも奮闘。前後左右に動かされてもエネルギッシュに走り抜き、カチンにプレッシャーをかけ続ける。互いに1度ずつブレークして迎えた第5ゲームでは、ロングラリーを制してチャンスを得ると、続くポイントでカチンのドロップショットが甘くなりチャンスボールに。これを決めきって再びリードを奪い、5-3で3度目のブレークに成功し、3時間4分の激闘を制して4回戦進出を果たした。

「いろいろな面で改善する必要があるけど、よく持ち堪えたし満足している。第2セットで勝てていれば、3時間プレーするよりプラスだろうが、勝てたし第3セットの困難に立ち向かえたこと、レベルアップできたことに満足している」と振り返ったナダル。

前週行われたバルセロナ大会では試合数を重ねることができずにクレーコートでの戦いで自信を深めることはできなかった。だが、世界11位のデミノーを下すと、この日は3時間マッチを制した。「ポジティブだよ。明日はどうなるか。でも頑張るよ。次の試合に備えて正しい方法でやっていく」と30日に行われる第30シードのイジー・レヘチカ(チェコ/同31位)との戦いに視線を向けた。



著者:Tennis Classic 編集部