3連覇を狙ったアルカラスは準々決勝敗退
男子ツアー「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/ATPマスターズ1000)シングルス準々決勝が5月1日に行われ、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク3位)は、第7シードのアンドレイ・ルブレフ(同8位)に6-4、3-6、2-6と逆転負け。「打つたびに前腕のことを考えた」と頭から不安が抜けなかったと語った。



今大会でナダルも成し遂げていない大会初の3連覇を狙うアルカラスは、ATP500バルセロナやATPマスターズ1000モンテカルロを右腕の負傷により欠場。不安を残したまま今大会を迎えた。

しかし、それを払しょくするかのように、初戦となった2回戦ではアレクサンダー・シェフチェンコ(カザフスタン/同59位)を6-2、6-1と快勝。その後も3回戦ではチアゴ・セイボス・ワイルド(ブラジル/同63位)を6-3、6-3で、4回戦では昨年の決勝で対戦したヤン・レナード・ストルフ(ドイツ/同24位)を6-3、6-7(5)、7-6(4)と3時間マッチを制して8強入りを果たした。

トップ10のルブレフが相手となった準々決勝は、試合序盤から激しい打ち合いに。ルブレフの強打が目立つものの、アルカラスもそれに押し負けずに精度の高いショットで対抗する。第2ゲームでのピンチをしのいだアルカラスが、ワンチャンスを生かして第5ゲームをブレークすると、リズムをつかんでサーブのポジションやドロップショットで相手を翻弄。6-4でセットを奪った。

しかし、第2セット以降は各セットの最初のサービスゲームを落として追いかける展開に。チャンスは度々あったものの、勝負所でのミスが響いて追いつくことができずに3-6、2-6と、大会初の3連覇を成し遂げることはできなかった。

2ブレークダウンを許してスコアが離れた最終セット、アルカラスはフォアハンドのスライスを多用し、ショットも浅くなった。「ボールを打つたびに前腕のことを考えた。ローマにいい気分で痛みもなく到着したいのなら、これから数日間は懸命にできることをしなければならない。今はいい感じだけど、まだやるべきことがある」と不安を抱えていた。

とはいえ、大会前の会見で「3、4試合できればうれしい」と語っていたように、準々決勝まで進むことができた。今大会が1ヵ月ぶりの実戦、クレーコート・シーズン初戦ということを考えれば、十分な結果かもしれない。

「この1週間はポジティブだ。大会の深いところまで行けたし、いいレベルで素晴らしい試合をした。ラケットを持たないままここに来て、初日にメドベデフと打ったんだ」

次戦は、昨年3回戦で当時世界135位の伏兵、ファビアン・マロジャン(ハンガリー)に敗れた「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/ATPマスターズ1000)。全仏オープン前の最後のビッグタイトルとなるが、開催まであと1週間ある。「数日中に決めるが、ローマでのプレーは大丈夫だと思う」と現状では出場を予定している。

著者:Tennis Classic 編集部