今季のヒューストン・ロケッツは、現地時間3月8日から29日まで破竹の11連勝を記録。29日終了時点でウエスタン・カンファレンス9位のゴールデンステイト・ウォリアーズに1ゲーム差に迫った。

 ジェイレン・グリーン、アルペレン・シェングン、ジャバリ・スミスJr.ら才能豊かな若手が揃うロケッツにおいて、シーズン序盤戦に献身的なプレーでチームを支えていたのが2年目のタリ・イーソンだ。203㎝・98㎏のフォワードは、1月に左足の痛みで離脱するまで22試合に出場し、平均9.8点、7.0リバウンド、1.2スティールをマークしていた。

 3月に手術を受けて無念のシーズン終了となったイーソンだが、チームには帯同。10連勝を飾った3月27日のオクラホマシティ・サンダー戦後にインスタグラムのストーリーで「Warriors, come out to play(ウォリアーズ、俺たちが遊んでやるから来いよ)」とプレーイン争いを繰り広げるウォリアーズを挑発する投稿して話題となった。

 このセリフは1979年に公開された映画『The Warriors』で、ギャングチームのウォリアーズと敵対するチームのリーダーが彼らに対して叫んだもの。4日にホームのトヨタ・センターで行なわれたウォリアーズ戦で、イーソンはこの言葉がプリントされたTシャツを着てベンチから戦況を見守った。

 しかし、ロケッツは序盤からシュートが決まらず、前半でクレイ・トンプソンに21得点を許して50−65と15点差をつけられる。後半に入ってもトンプソンやステフィン・カリー、トレイス・ジャクソン・デイビスに次々と得点を許し、最終スコア110−133で完敗。スミスJr.が24得点、ルーキーのキャム・ウィットモアが17得点と奮闘したものの、ジェイレン・グリーンは13得点、4ターンオーバーと精彩を欠き、守備でも相手にフィールドゴール成功率58.8%、3ポイント成功率48.6%と高確率でシュートを決められ、ホームで痛い星を落とした。
  7本の3ポイントを含むゲーム最多タイの29得点の活躍でウォリアーズを6連勝に導いたトンプソンは、試合後にイーソンを酷評した。

「それはかなりダサいね。プレーしていないならなおさらだ。競い合って結果を出しているならまだしも、ただサイドラインから挑発しているだけだ。ヤツは何をしているんだ? 僕たちが口喧嘩をする時は、少なくともコートで競い合っている」

 ウォリアーズのドレイモンド・グリーンも「(イーソンは)大好きだけど、そんなことを言うならプレーしなきゃいけない。プレーしないでそれを言うわけにはいかない」と苦言。ただ、イーソンのことは評価しているようで、「ヤツがどんな選手かは分かってる。ヤツはすべてを歓迎するんだ。挑戦や戦いすべてをね。来年も同じことを言うことを願っている。そして、俺たちはプレーイン争いではなく、シード争いをしているといいね」とメッセージを送った。

 11連勝後に3連敗を喫しウォリアーズとのゲーム差が4.0に広がったロケッツ。チームを盛り立てようとしたイーソンの行動は、逆に相手の闘争心に火をつけることになってしまったようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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