5月6日に東京ドームで行なわれる挑戦者・ルイス・ネリ(メキシコ)とのスーパーバンタム級4団体王座防衛戦を控える王者・井上尚弥は、決戦に向けて万全の準備を整えているようであり、4月29日には7日前計量をクリアしたことが大橋ジムの大橋秀行会長から発表された。
  ここまで26勝23KOという戦績を残し、有利が予想される「モンスター」には、かつての対戦相手も大きな期待を寄せている。現WBO世界バンタム級王者で、2020年11月に米国ラスベガスで井上と対戦し、7回KO負けを喫したジェイソン・モロニー(オーストラリア)は、米国のボクシング専門メディア『BOXING SCENE』で「この階級では、誰も井上に勝る者はいない」と、31歳の日本人選手の力に太鼓判を押した。

 5月6日には元K-1王者の武居由樹とタイトルマッチを行なうモロニーは、井上対ネリ戦を「凄い試合になる。ネリの戦闘スタイルを考えると、非常にエキサイティングだ。彼は生き残るための試合はせず、必ず勝ちに行こうとする。非常にワイルドで、そして強い。印象的なノックアウト記録を保持し、日本で王者を下したこともある」と語り、挑戦者の力を認めながらも、これを迎える井上の強さを以下のように強調している。

「ネリは井上を倒そうとし、彼に試練を与えるだろう。しかし現在、122ポンドの階級で井上を破れる者は誰もいない。そして私は、ネリ戦で井上が再び圧倒的なパフォーマンスを発揮することを予想している。彼はネリを止めるだろう。そんな勢いが、井上にはある。彼は試合を重ねるごとに、良くなっている。スティーブン・フルトン戦(8回TKO勝ち)もマーロン・タパレス戦(10回KO勝ち)も印象的だった」

「わずか2試合を戦っただけで、彼はすでにスーパーバンタム級において誰もが認めるチャンピオンとなっている。これは信じられないことだ。この階級では井上は無敵であり、これを続けるのはエキサイティングなことだ。ネリ戦では、互いに良いパンチを放つものの、誰も井上を撃破することはできない。パワフルなパンチを撃ち合う時、井上はいずれかの段階でネリを捉えるだろう」

 モロニーは以前、井上のパンチを受けたことについて、米国メディアに対して「首が大きく揺れ、耳の中で何かが揺れているのを感じた」と明かしていたが、今回のインタビューでも「彼のパンチを食らった時の感触を伝えることができる。それは“良くない”ものだ」と、受ける者にとってはあまりに辛いものであることを示した。

 このように、井上を称賛したモロニーだが、再びネリにも言及し、「井上がフェザー級に転向する前に、彼に試練を与えられる選手は限られているが、ネリはその中でも有力な選手であり、また日本でも知名度がある」として、改めてこのカードが魅力的なものであることを訴えている。

構成●THE DIGEST編集部

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