現地時間4月28日に行なわれたプレミアリーグ第35節、アーセナルはトッテナムとの「ノースロンドン・ダービー」を3-2で制し、3連勝を飾っている。

 この敵地での上位対決、「ガンナーズ」は15分にCKで冨安健洋と競り合ったピエール=エミル・ホイビュアのオウンゴールを誘発して先制すると、27分に速攻からブカヨ・サカが素晴らしいトラップとドリブルシュートで追加点を挙げ、さらに38分にはCKからカイ・ハバーツが頭で合わせるなど、前半だけで3得点。後半に入り、GKダビド・ラヤのミスとPK献上でホームチームに2ゴールを許したが、最後までリードを守り切った。

 冨安健洋は2戦連続での先発出場を果たし、昨年11月25日の13節ブレントフォード戦以来となるフル出場。左SBとして、90分間でボールタッチ33回、シュート1本(枠外)、パス19本(成功15本)、ドリブル2回、空中戦2回(勝利なし)、タックル2回(成功1回)、インターセプト2回、ファウル4回、オフサイド1回、ドリブルで抜かれた回数1回というスタッツを記録している(データ専門サイト『WhoScored.com』より)。
  現地メディアの評価では、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』が10点満点の採点で及第点の「6」、日刊紙『The Guardian』は「7」と高く、寸評で「(CKの際に)ホイビュアにプレッシャーをかけて重要なオウンゴールを誘発。その後、自分自身でもゴールを挙げることが可能だった。トッテナムのサイドの選手たちに手を焼いたが、1対1の守備は上手くこなした」とポジティブに彼のプレーを評した。

『THE Sun』紙も採点を「7」としたが、「最初の数分でデヤン・クルセフスキとのフィジカル勝負を強いられ、その後間もなくは上手くいかなかったが、CKからホイビュアのオウンゴールを誘発してチームに貢献した」とネガティブな点も挙げ、一方の『Daily Mail』紙は「最初は神経質で、ラスト15分間ではブレナン・ジョンソンに対して苦戦した。しかし、彼のプレッシャーがトッテナムのオウンゴールを招いた」として、採点は「6」を付与している。

『Evening Standard』紙は守備陣では単独最高となる「7」をこの日本代表選手に与え、「(前節)チェルシー戦の勝利後もポジションをキープし、アーセナルの最高の左SBとして存在感を示した」と賛辞を贈ったが、「後半早い時間にFKから良いチャンスを逃した」と逸機にも言及。同採点とした『INDEPENDENT』紙は、「典型的な力強いSBとしてのパフォーマンスを発揮」と、短く称賛した。 米国の大手放送局のスポーツサイト『NBC Sports』は「5」と厳しい評価で、「クルセフスキへの対応に終始まごついていた。乱雑なパスも幾度か見られた」と寸評もネガティブなものに。対してスポーツ専門サイト『GIVEMESPORT』は、「GKラヤ同様、あまり忙しくなかったが、必要に応じて冷静なアプローチを見せた」と綴り、採点も及第点(6)としている。

 データ専門サイト『Squawka』の採点は「5」と低めながら、「今回も慣れていないサイドでプレーしたが、それが日本代表選手にとって障害とはならなかった。ペドロ・ポッロとクルセフスキの脅威と戦いながらも、安定した存在感を示した」とポジティブな記述。逆にサッカー専門サイト『90min』は「クルセフスキに幾つかの激しいファウルで対抗したが、エネルギッシュなジョンソンを抑えるのは難しかったようだ」と厳しめな記述ながら、採点は「6」だった。
  ロンドンの地元メディアでは、総合サイト『London World』が「7」の高採点で、「スパーズの脅威に上手く対処し、ファイナルサードで攻撃をサポートするために前に出ようとした」と総括。サッカー専門サイト『football.london』は、「序盤は幾つかのプレーでボール扱いが少し乱れたが、試合が進むにつれて大きく改善された。1対1の場面では非常に堅実だったが、ボール扱いでは常に最高とは限らなかった」と悪い点も挙げながら、採点は「6」を与えている。

 最後に、アーセナルのクラブ専門サイト『PAIN IN THE ARSENAL』は、こちらも「6」の及第点評価ながら、「賛否両論あり。1対1のデュエルに多く立ち向かい、時折負けた。ボールを持ってのプレーは、めったになかった」と、冨安のプレーを表現した。

構成●THE DIGEST編集部

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