ロサンゼルス・ドジャースのテオスカー・ヘルナンデスが、大谷翔平とのエピソードを披露した。米誌『Sports Illustrated』が4月29日、「ともに今季からドジャースに加わったT・ヘルナンデスとオオタニに言語の壁はない。新加入のふたりは、すぐに仲良くなった」という見出しの記事で、両者の親密ぶりを伝えている。
【動画】T・ヘルナンデスからスペイン語を教わる大谷

「ドミニカ共和国で育ったヘルナンデスはチーム内の親しい友人のひとり、日本出身のオオタニに目を向けると、ニヤリを笑う。毎日ひとつずつ、新しい日本語を教えてくれるように頼んでいるためだ」

 ドジャースに加入した大谷は、MLBのキャリアで初めて同じ日本人とプレーすることになった。記事によると、チームにはスペイン語を母国語とする選手が7人在籍しているという。そのいずれもが、第二言語の英語で多くの時間を過ごしている。

 ヘルナンデスと大谷は、2021年のオールスターで親しくなったという。それ以来、顔を合わせるたびに挨拶をかわすようになった。オフにドジャース入りした大谷は、その後にヘルナンデスの加入が決まると、すぐにSNSで英語のダイレクトメッセージを送って歓迎した。

 同メディアは、「ふたりは、互いに第二言語でコミュニケーションをとっている。ヘルナンデスによると、彼らは通訳のウィル・アイアトンを介せずに話しているようだ。ふたりは不完全な英語と贅沢なジェスチャー、そして表情を駆使して通じ合っている」と、親密ぶりを伝えた。

 T・ヘルナンデスは言う。「ショウヘイは多くの英語を理解し、私の英語も理解しているが、すぐに理解できないこともある。その時はどうにかして説明しないといけない。どのくらい通じているかは分からないけどね。ただ、それも私たちの仕事の一部だと思う。互いを知り、助け合い、学ぶこと。彼の言語(日本語)でも、私の言語(スペイン語)でもない言葉(英語)を一緒に学んでいるんだ」。
  トロント・ブルージェイズ時代にT・ヘルナンデスは菊池雄星とチームメイトで、大谷もこれまで多くのスペイン語を話す選手と一緒にプレーしてきた。それでも母国語が異なる選手とこれほど親密になったのは、ふたりにとって初めての経験だという。

 同メディアは、T・ヘルナンデスと大谷にこんな質問をぶつけた。「ヘルナンデスの日本語と、オオタニのスペイン語は、どっちが優れている?」。大谷は笑顔で「テオスカーは日本人だよ」と答えると、「日本語は少しヘタだよ」と笑って否定したT・ヘルナンデスが、「ショウヘイは本当にスペイン語がうまいし、たくさん知っている。分からないことがあれば、すぐに“こういう時はなんて言うの?”、“どうしてこう言うの?”、“なぜこのような発音になるの?”ってね」というエピソードを披露した。

 さらにT・ヘルナンデスは、「日本は、アメリカともドミニカ共和国とも全然違う。私にとって、異なる文化を知る経験はいいことで、私はそれが好きなんだ。この前は韓国に行った(サンディエゴ・パドレスとの開幕シリーズ)けど、アジアに行くのは2回目だった。異なる文化をもっと知りたいと思った。アメリカについてはだいぶ学んだけど、他の国をもっと知りたい。もっと学びたいんだ」と語った。

 同メディアは、「オオタニがスペイン語で、“コモ エスタス(元気ですか)?”と話しかけ、ヘルナンデスが日本語で“元気です。おかげさまで”と答えるやりとりを、いつかするかもしれない。でもいまは、“How are you ?”、“I’m fine. Thank you for asking”で十分だ」と伝え、「言葉の流暢さが重要なのではない。彼らは互いを理解しようとし、互いにつながろうとしているのだ」と、日本人選手とドミニカ共和国人選手の“絆”にスポットを当てた。

構成●THE DIGEST編集部

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