4月28日(日本時間29日、日付は以下同)、フットプリント・センターで行なわれたフェニックス・サンズとミネソタ・ティンバーウルブズのプレーオフのファーストラウンド第4戦。3連勝とシリーズ突破に王手をかけていたウルブズは同点21回、リードチェンジ23回という大激戦を122−116で勝ち切り、無傷の4連勝でカンファレンス準決勝に駒を進めた。

 2004年以来初のプレーオフ2回戦進出、そして球団初のスウィープ勝利となったウルブズは、アンソニー・エドワーズがシリーズ平均31.0点、8.0リバウンド、6.3アシスト、2.0スティールと大暴れしたほか、計6選手が平均2桁得点を残し、選手層の厚さを見せつけた。

 29日に公開されたゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンのポッドキャスト番組『The Draymond Green Show』の最新エピソードで、グリーンはウルブズの守護神ルディ・ゴベアについて言及した。

 昨年11月の対戦でグリーンはゴベアの首を絞めて退場&5試合の出場停止処分を受けたほか、2人は以前からSNS上でやりあうなど浅からぬ因縁がある。しかし、今回グリーンはゴベアの能力を素直に称賛していた。
 「アンソニー・エドワーズはウルブズの選手たちを引っ張り、本当に見事な仕事をした。ルディはもうゴミじゃない。多くの人たちが同意しているように、彼はオールディフェンシブプレーヤーだ。だが俺が言いたいのは、彼がスイッチした際にただドロップするだけじゃなくなったこと。スイッチ後に、ガードしなければいけないという彼のアンテナがしっかり立っているんだろう」

 216cm・117kgのゴベアは、すでにリーグ内でリムプロテクターとしての地位は確立しているが、3ポイントラインにいるシューターへクローズアウトする場面はほとんどなく、相手チームは彼を無力化するためにスモールラインナップを採用し、3ポイントを積極的に放つことで攻略してきた。

 だが現在のゴベアはペイントエリアの威圧感はそのままに、トップの位置まで出てきて相手の動きを封じるディフェンスも披露している。「興味深いのは、彼が勝利へインパクトを与えていることだ」とグリーンが語るように、サンズとのシリーズでは平均15.0点、11.0リバウンド、1.5アシスト、1.25スティールに加え、出場時の得失点差はエドワーズ(+15.0)を上回るチームトップの+15.5を記録した。

 今月22日に米スポーツ専門メディア『The Athletic』へ公開された選手投票結果において、ゴベアはベストディフェンダー部門で6位の得票率6.0%を獲得した一方、「最も過大評価されている選手」としてトップの得票率(13.6%)を集めていた。 とはいえ、今季のウルブズがリーグトップのディフェンシブ・レーティング(108.4)を記録したのは、ゴベアの働きによるものが大きいことは間違いない。31歳の守護神はヴィクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)、バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)とともに最優秀守備選手賞のファイナリストに名を連ねている。

 これまで同賞を3度受賞しているゴベアは、過大評価されていることについて米スポーツ専門局『ESPN』へこう漏らしていた。
 「そういった連中の眼には、俺がアウォードをたくさん勝ち獲ったフランス出身の変なヤツと映っているんだろうね。それが人を悩ませるんだ。(だけど)俺はとてもユニークな方法でゲームにインパクトをもたらしている。ほかの連中にはクールだと映らないかもしれないが、それがリスペクトすることを難しくしているのかもね。俺は誤解されやすく、いろんなきっかけを引き起こしてしまうんだと思う」

 ウルブズはカンファレンス・セミファイナルで王者デンバー・ナゲッツと対戦する。大舞台で抜群の存在感を発揮しているゴベアが、万能センターのニコラ・ヨキッチにどうマッチアップするのか注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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