現地5月21日、国際バレーボール連盟が主催する男子の『2024ネーションズリーグ(VNL)』が開幕した。ブラジル/リオデジャネイロ会場で行われた第1週初戦で、世界ランク4位の日本代表は、同6位アルゼンチンと対戦。セットカウント1−3(24-26、25-22、25-23、25-19)で勝利を収めて白星発進した。

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 昨年は、前年の世界選手権王者イタリアを退けてVNL最高成績となる銅メダルを手にし、主要国際大会で46年ぶりとなるメダル獲得の快挙を成し遂げた日本。そして、秋に開催されたパリ五輪予選で見事に出場権獲得を果たして、今大会を迎えた。
  伊リーグで4月末までプレーオフを戦いチーム合流した主将・石川祐希と高橋藍が、調整のため2週目からの参戦。第1週をダブルエース不在で戦う日本は、セッター関田誠大、アウトサイドヒッター(OH)富田将馬、甲斐優斗、オポジット(OP)西田有志、ミドルブロッカー(MB)小野寺太志、山内晶大とリベロ山本智大を初戦の先発メンバーに起用した。

 今大会でパリ五輪への切符を狙う東京五輪銅メダリストのアルゼンチンは、有明アリーナで表彰台に立った8選手を招集メンバー入り。伊リーグの強豪チヴィタノーヴァから名門モデナへ来季移籍するベテランセッターのルチアーノ・デセッコ、ミラノの2季連続4強入りへともに貢献したチームメートの石川と一緒に今季王者ペルージャへ加入予定のMBアグスティン・ロセルらで主力を固め、日本戦に臨んだ。

 第1セット、富田のエース3本で劣勢から接戦へ持ち込んだ日本だったが、7本に上ったサーブミスが足かせとなりセットダウンでスタート。第2セットでは精度を取り戻したサーブがブロック3本を呼び込むなどして中盤に1点リードを守り続ける。すると、終盤に入り、西田が9mラインから相手守備を崩して3連続ブレークに成功。以降、アタック決定率80%をマークしていた山内の攻撃などで得点を重ねた後、西田が後衛からのストレート弾で2度目のセットポイントをものにして試合を振り出しへ戻した。

 第3セットは前半に一度、同点まで迫られるも、西田の好判断が光るアタックとエースでリードを譲らず。ギアを上げたサーブに加え、関田の見事なトスワークが効果的な攻撃を引き出してリードを5点へ広げてセットポイント。粘る相手に2連続ブロックを許すなどして1点差まで詰め寄られるが、西田が1セット目と同じコースへバックアタックを沈めて勝利へ王手をかけた。

 第4セットは勢いに乗った日本の横綱相撲。リベロ山本を筆頭に全員が攻守を連発して次々と加点に繋げ、最後は20歳の新鋭、甲斐が渾身のブロックアウトで勝負を決めた。 西田が全体最多24得点(アタック23、エース1)の大爆発。同2位の甲斐が17得点(アタック16、ブロック1)、14得点の山内(アタック9、ブロック4、エース1)と富田(アタック10.ブロック1、エース3)と合わせ、4選手が二桁得点を記録した。途中交代の選手を含め、コートに立った全員が役割を全う。それぞれが能力を遺憾なく発揮して日本の強さを印象付けた試合だった。なお、暫定ではあるが、日本はこの勝利により世界ランク3位へ浮上している。
  アルゼンチンの大手スポーツ紙『Olé(オレ)』の電子版は、「2セット目から守備のレベルを上げた日本が容赦なく繰り出す攻撃にアルゼンチンは対抗できなかった。我々の選手交代を意に介さずに、統制力とハイクォリティを維持して試合を進め、フロアにボールを触れさせない守備でアルゼンチンの解決策を奪った。第4セットも絶え間なく激しい攻撃を繰り返し、絶好調の西田を止められずに敗戦を強いられた」と日本の戦いぶりに感服して自国の苦い初戦黒星を報じている。

 日本代表の第2戦は日本時間24日(午前5時30分開始予定)。パリ五輪予選で対戦し、3-0の完勝で退けた世界ランク9位セルビア代表と対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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