非常に心配なニュースが入ってきた。女子テニス世界ランク3位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/26歳)が、第3シードで出場予定だった現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」(7月1日〜14日/イギリス・ロンドン/芝)を肩の負傷により欠場すると正式に発表した。WTA(女子テニス協会)公式サイトが報じている。

 実は大会開幕前からサバレンカは同箇所の状態が懸念されていた。前哨戦の「エコトランス・女子オープン」(ドイツ・ベルリン/WTA500)ではベスト8に進出するもアンナ・カリンスカヤ(ロシア/現17位)との準々決勝を第1セット途中で棄権。1週空けてウインブルドンに臨むこととなり、先週には会場内での調整を開始していた。

 ところが初戦に先駆けて応じたWTA(女子テニス協会)の公式サイトのインタビューでは「大円筋(肩関節の伸展を支える筋肉)を負傷した」と告白。「本当に特殊なケガ。おそらく大円筋を負傷したテニス選手は、私が2人目か3人目だと思う。ストロークは打てるけど、サービスが打てない。100%のコンディションではない」と、予想よりも深刻な状況であることを明かしていたのだ。

 現地1日に初戦を迎えるはずだったサバレンカ。棄権のニュースが入ってきたのが試合開始の直前だったことを考えると、ギリギリまで判断を迷っていたことは想像に難くない。今年1月の全豪オープンに続く四大大会2勝目にも期待がかかっていただけに、非常に残念な結末となってしまった。
  なおサバレンカは自身の公式インスタグラム(@arynasabalenka)を通じ、次のように欠場の旨を報告している。

「今年のウインブルドンに出場できないことを皆さんに伝えなければならないのは心が痛みます。準備期間にあらゆることを試しましたが、残念ながら肩の調子が良くありません。今日も練習で限界まで追い込んでベストを尽くしましたが、出場すれば状況がさらに悪化するだけだとチームから説明を受けました」

「この大会は私にとってとても大切な意味があります。来年はこれまで以上に強くなって戻ってくることを約束します」

 これによりサバレンカの代替選手として、予選決勝で敗れていた世界101位のエリカ・アンドレーワ(ロシア)がラッキールーザー(予選敗者が繰り上がる措置)で本戦イン。同日の1回戦でエミナ・ベクタス(アメリカ/107位)と対戦し、7-6(5)、3-6、6-3のフルセットで勝利した。2回戦ではドナ・ベキッチ(クロアチア/37位)と対戦する。

 既報の通りサバレンカは今夏のパリ五輪(テニス競技は7月27日〜8月4日/クレー)の欠場を表明しており、しばらくは肩のケガの治療に専念すると見られる。とにかく今は1日も早い回復を願いたい。

文●中村光佑

【画像】サバレンカがSNSでウインブルドン欠場の旨を報告

【画像】全仏オープン2024で奮闘するサバレンカら女子選手たちをピックアップ

【関連記事】世界3位サバレンカがパリ五輪の出場辞退を表明。「健康に気を遣うことにした」とツアーの超過密スケジュールを回避<SMASH>