宮藤官九郎が企画・監督・脚本を、池松壮亮が主演を務めるドラマ25「季節のない街」(毎週金曜深夜0:42-1:13、テレ東系/ディズニープラスにて配信中)の第4話「牧歌調」が4月26日に放送された。日雇いの仕事を始めた半助(池松壮亮)。一緒に働く益夫(増子直純)と初太郎(荒川良々)は酒付きでいい人だが、ひょんなことをきっかけにW不倫が始まった。(以下、ネタバレを含みます)

■宮藤官九郎が20代の頃から切望していた企画を映像化

同作は、山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失い、この“街”にやってきた主人公が“街”の住人たちの姿に希望を見つけ、人生を再生していく青春群像エンターテインメントとなっている。

宮藤が20代のころから切望していた企画で、テレ東とディズニーの共同製作で実現。原作小説は、1970年に黒澤明監督が「どですかでん」のタイトルで映画化したことでも知られており、映画は1972年の「第44回アカデミー賞」外国語映画賞(現・国際長編映画賞)にノミネートされた。

■群像劇を彩るキャストが集結

怪しげな男の指示で、街に住む人々の暮らしぶりを報告する仕事を請け負い、猫のトラと一緒に街に潜入する主人公・半助こと田中新助を演じるのは池松。街の青年部を率いる、母親の愛情に飢えた承認欲求高めな“親思い”の次男・タツヤ役を仲野太賀が務める。

また、街の近所に住む酒店の息子で、好きな女の子目当てで街に出入りしているオカベを演じるのは渡辺大知。さらに、オカベが恋する街で一番内気なかつ子役は三浦透子、タツヤの母・しのぶ役は坂井真紀、「どですかでん」と叫びながら“見えない電車”を毎日1人で運転する六ちゃん役は濱田岳、六ちゃんの母・くに子役は片桐はいり、六ちゃんのよき理解者であり街を見守るたんばさん役はベンガル。

ほか、増子直純(怒髪天)、高橋メアリージュン、荒川良々、MEGUMI、皆川猿時、又吉直樹、前田敦子、塚地武雅、藤井隆、鶴見辰吾、岩松了らキャストが集結し、“全員ワケあり&いわくつき”の個性豊かな住人として登場する。

■酔っ払ったせいなのか、家とパートナーを取り違えてしまった

三本木(鶴見)に街の住民について報告して報酬をもらっていた半助(池松)だが、その仕事が住民のことを監視する“スパイ”的なことだと分かり、罪悪感を抱いたのだろう。それで日雇いの仕事を始めることに。

その仕事で、益夫(増子)と初太郎(荒川)と親しくなった半助は、仕事帰りに2人と一緒にコンビニで発泡酒を買って飲んだり、屋台で飲んだりする間柄となった。

益夫と初太郎はお隣さんで、酒が好きで、いつも酔っ払って帰ってくる。益夫は妻・光代(高橋メアリージュン)から、初太郎は妻・良江(MEGUMI)からいつも文句を言われていたりするなど共通点も多い。

そんな二人が家とパートナーを取り違えるという出来事が発生した。

■益夫が胸をかきむしった時、良江の目がギラっと光った

半助が酔っ払った初太郎を家まで送ってきたが、そこに益夫もやってきた。もちろん酔っ払った状態で。

聞けば、目玉焼きがきっかけで妻・光代と言い合いになり、自分の主張が正しいかどうか、初太郎に意見を聞きに来たようだ。

「頭来たから飛び出してきた。まだこのあたり(胸)がムカムカすらぁ」と、シャツの前をはだけて胸毛の生えている胸をかきむしる。

ここで異変が。益夫の胸元を見た良江の目がギラっと光ったのだった。

初太郎が光代と話をつけてくると言って家を飛び出し、半助も後を追った。

■半助が機転をきかせて元に戻ったが真相は分からずじまい

初太郎は益夫の家で寝てしまい、それを報告しに半助が初太郎の家に戻ると、益夫と良江が何やらいい雰囲気に。

不安に感じながらも、「おやすみなさい」と言って扉を閉めて立ち去った半助だったが、翌朝、益夫は初太郎の家から出てきて、初太郎は益夫の家から出てきた。

W不倫かとびっくりする半助だが、当の本人たちは家とパートナーが入れ違っているのに気付いているのか、いないのか、妻たちも入れ違った夫を当たり前のように弁当を渡して送り出した。

互いに妻の愚痴を言わなくなったというメリットはあったが、W不倫といったドロドロした感じでもなく、半助は「牧歌的で屈託がない」と表現していた。

しかし、その状態が続くのは良くないと思ったのだろう。3人で銭湯に行った時、益夫と初太郎がシャンプーしている間に、2人が足に付けていたコインロッカーの鍵を入れ替えてみたら、それをきっかけに元の家に帰るようになった。

酔っ払ってバツが悪かったけど、タイミングを逸して戻るに戻れなくなった2人を半助が助けてあげたということだったのだろう。双方の夫婦、この4人がその間、どう思っていたのかは分からずじまい。真相はどうなのか聞いてみたいが、今後も平和に、牧歌的に暮らしていくためには知らない方がいいような気がする。

◆文=ザテレビジョンドラマ部