当時のバイエルンは圧倒的だった

昨季マンチェスター・シティで3冠を達成するなど、指揮官としてタイトルを量産するジョゼップ・グアルディオラ。バルセロナに続いてマンCでもCLを制したことで、また一つ評価を上げた印象だ。

しかし、2013年から3年間指揮したバイエルンではCL決勝に辿り着けなかった。レアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリードと準決勝でスペイン勢に敗れてしまい、悲願達成とはならなかったのだ。

英『FourFourTwo』にて、当時のチームでプレイしていた元ドイツ代表MFバスティアン・シュバインシュタイガーはグアルディオラにとって難しい時間だったのではと振り返る。グアルディオラ就任直前のシーズンで、バイエルンがユップ・ハインケスの下で圧倒的なフットボールを展開していたからだ。グアルディオラは常にそのチームと比較されることになった。

「ペップはバイエルンで何かを変えようとしていたが、それは簡単ではなかった。なぜなら彼は我々がトレブルを達成した直後に来たからだ。当時の我々はヨーロッパ最高のチームだった。そこにグアルディオラがヨーロッパ最高の監督としてやって来て、我々に新しい哲学をプラスしたいと考えた。その中で多くのことを学んだし、彼は試合中に解決策を見つけるのが素晴らしい」

「しかし、我々は前のシーズンにに大きな成功を収めていたからね。ミュンヘンでの仕事は彼にとっては簡単ではなかった。私たちは4年間で3回もチャンピオンズリーグ決勝に進出していて、2013年には優勝した。グアルディオラの下では常に国内リーグは圧倒的な力で優勝できたけど、チャンピオンズリーグではなかなか優勝できなかった」

「サポーターと話すと、ハインケスが監督だった頃のチームの方がバイエルンのDNAを感じると言うんだ。人々は『グアルディオラは偉大な監督だが、彼の試合にはバイエルンのDNAを感じられなかった』と。とても奇妙な話だけど、もしかしたらそれも少し問題だったのかもしれない」

グアルディオラはバイエルンでもポゼッション率を高めた独自のフットボールを目指していたが、その前のハインケス体制のチームは攻守の切り替えを極限まで高めたスタイルだった。テンポが速かったのはハインケス体制の方で、バイエルンのサポーターにはそちらの方が合っていたのかもしれない。