最終節で勝利にこだわったチームがどれだけあったか

グループステージが終了し、ここから決勝トーナメントに突入するEURO2024。

それを前に英『Daily Mail』は、EUROの出場国数を現行の24から32へ拡大する時がきたのではないかと主張している。

EUROの出場数が現在の24チームになったのは、2016年大会からだ。このシステムでは、3位のチームにも決勝トーナメントへ進むチャンスが出てくる。これは2016年大会より何かと話題を呼び、当時優勝したポルトガル代表もグループステージ未勝利ながら3位に入り、そこから優勝を果たした。

同メディアは、3位でも決勝トーナメントに進めるレギュレーションはグループ最終節の盛り上がりを薄くしてしまうと伝えている。例えば今大会ならば、オーストリアが首位通過したグループDだ。

「危機感が少なすぎると、達成感も薄れるものだ。今回のグループリーグでは、期待はずれの試合が多すぎた。火曜日にベルリンで行われたオランダ対オーストリア戦ほどそれを象徴する試合はない。オランダはスリリングな試合を3対2で落としたわけだが、本来ならば試合後に取り乱してひざまずくべきだった。しかし、彼らは肩をすくめただけで先のラウンドへ進む。彼らはすでに勝ち点を4ポイント獲得していて、グループ通過を決めていたからだ。グループDで3位に終わったのは想定外かもしれないが、大惨事ではなかった」

さらに最終節のセルビアVSデンマーク、イングランドVSスロベニアが2試合ともスコアレスドローに終わったグループCについても、同メディアは「グループ最終戦がいかにつまらないものになり得るかをさらに証明した。サウスゲート率いるチームは試合に勝ちたかったのかもしれないが、実際には必ずしも勝利にこだわる必要はなかった。スロベニアは3試合ともドローで1ポイントずつ獲得すれば、初めて決勝トーナメントに進出できるだろうと分かっていた」と問題視している。

また、決勝トーナメントのレギュレーションにも気になる点はある。首位通過を果たし、ベスト16で3位通過のチームと対戦するところもあれば、2位通過のチムと対戦しなければならないところもある。同メディアはこの点についても不公平感があると主張している。

出場国数を32に増やせば、この問題点は解消される。しかし同時に、欧州予選が簡単になる。それは本大会のクオリティを下げることにもなるかもしれない。難しい部分ではあるが、最終節が盛り上がりに欠けているところがあるのは事実だろう。