栃木・那須町の遺体損壊事件で、死体損壊容疑で逮捕された元俳優の若山耀人(きらと)容疑者(20)がユーチューブ動画に出演し、「世の中はおカネ」と話していたとの情報が浮上した。同容疑者は捜査当局の調べに対し、遺体処理後、数百万円の報酬を受け取ったと供述しており、カネへの執着がうかがえる。

 この事件で、若山容疑者と韓国籍で職業不詳の姜光紀(カン・グァンギ)容疑者は実行役とみられている。両容疑者は「指示を受けて遺体を処理した後、数百万円の報酬を受け取った」と供述。仲介役とされる建設業の平山綾拳容疑者(25)から指示されていた。

 2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」などに出演し、将来を嘱望された元若手俳優が、指示役から指示されて犯行に手を染め、報酬を受け取ったわけだ。

「若山容疑者は高校1年だった20年2月、芸能界を引退。当時はすでに地元の岐阜から都内に引っ越しており、金銭的に苦しかったといわれました」(芸能プロ関係者)

 若山容疑者とみられる男性がユーチューブ動画で、「世の中はおカネ」と話していた一本の動画がある。

 ユーチューバーの間では企画の一つとして、街中を歩く若者に声をかけ、私生活などを聞く街角インタビューが定番化している。この模様はインタビューしたユーチューバーのユーチューブチャンネルやTikTokで配信されている。

 若山容疑者とみられる男性は黒のジャージー風トップスを着て、当該ユーチューバーのインタビューを受けた。男性はユーチューバーに「好きな言葉はありますか?」と聞かれ、「『おカネ』です」とキッパリ。理由は「結局、世の中はおカネかな」と説明し、「顔とおカネかな」と「顔」も付け加えた。最後にユーチューバーに促され、カメラ目線で「おカネです、世の中は」とサラリ。動画は逮捕約1か月前の4月3日、配信された。

 事情を知る関係者の話。

「この動画の存在は、若山容疑者が送検された2日朝から、関係者の間で急速に広まっています。動画の男性は端正なルックスで目はパッチリ。首の左側にはつばさのようなタトゥーがある。若山容疑者は俳優時代、端正なルックスで人気があったけど、逮捕・送検された際、首の左側のつばさのようなタトゥーをしていることが明るみに出て、SNSはザワついた。若山容疑者と動画の男性はこれらの特徴が合致していて、両者は同一人物とみられます」

 若山容疑者は事件後、逃走し、報酬を遊興費などにつぎ込んだとされる。逮捕時に所持していたのは数十万円だった。

 当該ユーチューバーに2日昼から取材を申し込んでいるが、折り返しはない。

 事件を受け、Huluで配信予定だった若山容疑者の主演映画「ぼくが命をいただいた3日間」(16年)が削除された。