ジャーナリストの青木理氏が3日、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演。自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金問題について言及した。

 同事件における検察の動きについてコメントを求められた青木氏は「僕は、検察のような国家権力が4000万円以上だったらアウトで、4000万円未満だったらセーフとかっていうのはおかしいと思うし、そんなものを勝手に検察が決めて、『こいつは処分する』『こいつは処分しない』なんておかしいと思う」と指摘。

 しかし続けて「ただ検察が過去の摘発基準みたいなものを無視して、仮にも一応選挙で選ばれた人を片っ端から刑事訴追して、それを見てわれわれ市民が『ざまあみろ!』って言って留飲を下げて、結局なにも変わらないっていうのは、ある種不健全だと思う」と私見を述べた。

 また検察の幹部が捜査の終盤で新聞記者に「われわれの捜査が不十分だっていうのは十分わかるけれども、でもある意味で事案の概要は明確に示された」「あとは政治がどういうふうに判断して、どう対処するか。それから最終的には有権者がどう判断するかだ」と語ったされる証言を紹介。

 その上で「これが『捜査は尽くした』という検察の自慢、自負だとするなら、とんでもない勘違い。2000万だったらOKで、3000万、4000万だったらアウトってのはどう考えたって庶民感覚から外れてるから、検察が捜査を尽くしたという自負だったら、とんでもない勘違いだとは思う」と批判した。

 一方で「ただ一応、一強政権下でわが世の春を謳歌していた自民党最大派閥をはじめとする複数の派閥が、長年に渡って延々と堂々と、裏金づくりという明白たる違法行為をしてたっていう概要は分かったわけですよね。しかも政治は、一応微温的な処分をしたけれども、結果的には政治資金規正法の改正すらまともにやろうとしない。となったら、最終的には有権者が鉄槌を食らわすしかないんだろうなと思います」と持論を語った。