俳優の草彅剛が主演する時代劇映画「碁盤斬り」(17日公開、白石和彌監督)が3日、イタリアで開催中の「第26回ウディネ・ファーイースト映画祭」で、批評家により選出される賞「ブラック・ドラゴン賞(Black Dragon Audience Award)」を受賞したことが発表された。

 イタリア国外からも映画ファンが集まるウディネ・ファーイースト映画祭。そんな映画祭の批評家たちの厳しい目によって評価されたことを受けて、常に冷静な白石監督も「イタリアの皆さんにも、この映画を楽しんでもらえて非常にうれしいです。全ては脚本の加藤さんと草彅さんはじめキャストのみなさん、スタッフのみなさんのおかげです! 改めて時代劇に可能性があることを肌で感じることができてうれしく思います」と喜びを爆発させた。

 また、前日2日には、「碁盤斬り」のワールドプレミアとして世界で初めての上映が行われ、白石監督が登壇。同映画祭ディレクターのサブリナ・バラチェッティさんからも、「今までヤクザ映画やサスペンスなどを撮ってきた白石監督初の時代劇。今まで何度もウディネ映画祭で白石監督の映画を上映してきましたが、ついに監督に来ていただくことができました。ここウディネがワールドプレミアとなり、皆さんが初めてのお客さんになります!」と監督を紹介。

 満席の客席の熱気を受けて、白石監督も「この映画は、日本の古い侍の映画です。囲碁を通して友情の大切さ、復讐も含めて、人の誇りの高さを描いた映画です。長い日本の歴史の中でたくさん侍の映画が作られてきましたが、この侍のスピリットを理解してくれるのはイタリアの観客の皆さんだと信じています」とコメント。上映中は、笑いや驚き、緊張など、客席が一体となって大きなリアクションと共に観客の皆さんが映画を存分に楽しんでいたそう。上映後は多くの観客の皆さんが白石監督のもとへと押し寄せる人気ぶりで、白石監督は1人ひとり丁寧にサインに応じた。