英ロックバンド・クイーンの音楽カタログの権利取得のため、ソニー・ミュージックが10億ポンド(約2000億円)で買収する手続きを始めたと米誌「バラエティ」が19日、報じた。ここ数年で進む大物アーティストの音楽カタログの取引の中でも、最大級の売却となる。

 同誌によると、取得した権利の中にライブパフォーマンスによるものは含まれない。ライブパフォーマンスの権利は、現在も精力的にツアーを行っている創設メンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラーに加え、ボーカルを務める歌手アダム・ランバートが保持することになる。

 今回の売却は数年にわたり交渉が進められてきた。同カタログ取得にはソニー以外にも非公開の別の入札参加者がいたが、9億ドル(約1422億円)で手を引いたという。

 クイーンの音楽カタログはロック分野で最上級の価値があるとされ、「ボヘミアン・ラプソディ」や「アナザーワン・バイツ・ザ・ダスト(地獄へ道づれ)」「レディオ・ガガ」「サムバディ・トゥ・ラヴ(愛にすべてを)」「マイ・ベスト・フレンド」などの名曲や、定番の「ウィ・ウィル・ロック・ユー」や「ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ(伝説のチャンピオン)」は現在も世界的な人気を誇る。

 また、2018年の伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」の成功により、ロンドン・ウエストエンドやニューヨーク・ブロードウェイではミュージカルとしてロングランで公演されている。