ソフトバンクは23日のロッテ戦(ZOZO)に4―2で競り勝った。この試合で今宮健太内野手(32)が通算1500試合出場を達成。メモリアルゲームで内野の要が存在感を放った。

 相手先発は最速165キロを誇る令和の怪物・佐々木朗希投手(22)。難敵攻略の口火を切ったのが、今宮だった。4回、先頭で迎えた第2打席。追い込まれてからの4球目、フォークを右前へ運ぶクリーンヒットがチームを鼓舞した。続く柳田もフォークをうまく拾って技ありの左前打。一死となって、近藤が三塁線を破る適時打を放って先制点をもぎ取った。今宮、柳田、近藤の安打はいずれもフォークを逆方向に打ち返したもの。チームに勇気を与える一打は価値があった。

 今季は主に「2番」を主戦場に、中軸につなぐ攻撃の重要な役割を担っている。5回二死で迎えた第3打席でも、7球粘って四球を選んだ。速球派の難敵で大量得点が見込めないゲームにあって、この日初めてチームで佐々木相手に5球以上を投じさせた打席だった。

 大きくクローズアップされることはないが、試合の中で機微となるプレーでチームからの信頼を集めてきた。積み重ねてきた貢献度もさることながら、若手の手本となるプレーの数々は貴重だ。高卒4年目に規定打席に初めて到達し、そこからレギュラーに定着。鷹の正遊撃手として、チームに安定感をもたらしてきた。

 1500試合出場を果たし、球団を通じて「数々の偉大な先輩方の通ってきた道を通ることができ、大変うれしく思います。ただ、ここから試合数を重ねていくには高いパフォーマンスをし、若い選手に負けていられません。本当にこれからも1日1日が大切になってきますし、ファンの方々の応援、期待に応えられるように日々精進していきたいと思います」とコメント。球界屈指の守備力は衰え知らず。プロ15年目、有言実行のパフォーマンスで鷹をけん引している。

 敵地・幕張で佐々木に2年ぶりに黒星をつけたゲーム。背番号6の存在感はさすがだった。