手に汗握る白熱した『同学年対決』に、熱い視線が注がれた。

 4月30日、ほっともっとフィールド神戸で行なわれたオリックス対ロッテの一戦は、22歳の宮城大弥と佐々木朗希が先発登板。通算5度目となる球界屈指の投げ合いは、宮城が8回(115球)を5安打13奪三振1四球1失点の熱投。一方、佐々木は7回(108球)を投げて4安打10奪三振無失点、四死球3の好投。甲乙つけがたい素晴らしい投手戦に、球場からは労いの拍手が鳴り止まなかった。

 オリックスの左腕が初回を三者凡退に抑えたのに対し、ロッテの剛腕は先頭打者にいきなり四球を与えると、続く森友哉には154キロの速球を左中間に弾き返される二塁打。一塁走者の西川龍馬が三塁を蹴って一気にホームを狙ったが、左翼手・荻野貴司と遊撃手・茶谷健太の見事な中継プレーで生還を阻止。味方の守備に助けられた佐々木は後続をピシャリと抑え、好プレーに応えた。

 宮城は2回、連続三振で簡単に2アウトを取ったあと連打を浴びて2死一、三塁のピンチを招いたが、山口航輝を中飛。4回はランナーをひとり許すも、圧巻の三者連続三振に斬って取った。

 去年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でチームメイトとして共闘し、世界一に輝いた盟友の好投を目の当たりにする佐々木も負けていない。2回以降は毎回ランナーを背負うも、155キロ前後の速球と145キロを超す高速フォーク、そしてダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)直伝のスライダーが冴え、4回まで5つの三振を奪う。
  0対0の均衡が破れたのは5回。1死一塁で宮城が1番・荻野に左適時打を打たれ、ロッテがついに先制。打った荻野は三塁を狙ったが、惜しくもタッチアウト。だが、ロッテ打線が佐々木を援護する貴重な1点を奪った。

 打線に先制してもらった直後の5回、剛腕はギアを一段階上げる。先頭の杉本裕太郎を二ゴロ、次の野口智哉の4球目にはこの日MAXとなる158キロを計測するも、続くフォークが抜けて死球を与える。しかし太田椋をそのフォークで空振り三振、西川を左飛に打ち取り無失点で切り抜けた。

 1点を奪われたものの、宮城は圧巻のピッチングをさらに続ける。6回は三者連続の空振り。7回もゼロで抑えると、なんと8回もマウンドへ。味方の反撃を信じて続投した左腕は、先頭の中村奨吾をフォークで空振り。タイムリーを打たれた荻野には、すべてストレート勝負で三球三振。仕上げは藤岡裕大をフルカウントからの6球目、最速155キロの速球で空振り。この試合3度目の三者連続三振という離れ業をやってのけ、自己最多タイの13奪三振でマウンドを降りた。

 佐々木は7回にスライダーとフォークで2つの三振を積み上げ、今季最多の10奪三振。降板後も救援陣が無失点で切り抜ける完封リレーで今季3勝目(1敗)をマーク。一方、宮城は今季ベストピッチングと言っても過言ではない内容だったが、味方打線が最後まで沈黙し、3敗目(2勝)を喫した。 見応えのあった投手戦には米識者も唸らざるを得ない。

 日本のプロ野球に精通している米野球ライターのジェイソン・コスクリー氏は自身のX(旧ツイッター)に「ヒロヤ・ミヤギvsロウキ・ササキを観戦している」と報告。試合中もSNSを頻繁に更新し、「ササキは100球目(スライダー)で9つ目の三振を奪った。彼は今夜、このスライダーを中心にストライクゾーンに投げている」と記し、鋭い切れ味に目を丸くした。
  また、7回終了時点で95球だった宮城が8回も続投した気迫の場面には、「なんてこった!」と驚きを隠せず、三者連続三振というパーフェクトピッチングにただただ脱帽。左腕の投球内容に賛辞を惜しまなかった。

 日本球界を背負って立つ若武者同士の痺れる投げ合いに、感嘆の声は止まない。

構成●THE DIGEST編集部

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