F1レッドブルで常勝軍団を築いた天才デザイナーのエイドリアン・ニューウェイ最高技術責任者(CTO=65)が退団を決意したことで大争奪戦がぼっ発する中、名門フェラーリが500億円超の驚がくオファーを提示する可能性が出てきた。

〝空力の鬼才〟と称されるニューウェイ氏は、数々のマシンでF1界の頂点に立ってきた唯一無二の天才。近年はレッドブルでらつ腕を振るってきたが、クリスチャン・ホーナー代表のスキャンダルを巡る内紛が引き金となり退団を決断。週末に欧州各国メディアが次々と報じ、F1界を揺るがす大騒動に発展している。

 アストンマーティンは以前に総額1億ドル(約157億円)のオファーを提示したが断られており、今回の動きを受けてさらに条件を上乗せする構え。そうした中、本命視されるフェラーリがカネに糸目をつけず一気に決着を付ける構えだ。

 欧米のスポーツを専門に扱うメディア「スポーツキーダ」は、フェラーリの地元イタリアメディア「フォーミュラ・ウノ」の報道を引用する形で「フェラーリが最有力候補に浮上しており、マラネッロ(フェラーリの本拠地)は、収益の50%以上という巨額のオファーを提案する用意もある」と伝えた。

 米誌「フォーブス」によると、フェラーリの年間収益は6億8000万ドル(約1060億円)とみられている。この50%にあたる総額530億円程度の超絶オファーを準備しているというのだ。

 デザイナーとしては前代未聞の破格契約で名門が争奪戦を制するのか。他のチームも黙って引き下がるわけにはいかないだけに、壮絶なマネーゲームに発展しそうだ。