横綱は大丈夫なのか…。大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)を控えた2日、国技館で横綱審議委員会(横審)による稽古総見が行われた。横綱照ノ富士(32=伊勢ヶ浜)は準備運動中に左わき腹のあたりを気にするしぐさを見せ、稽古を回避。「稽古しようと思っていたけど、状態が良くなかったので。詳しくは言えないけど、念のため」と説明した。

 初場所で4場所ぶり9度目の優勝を果たしたが、春場所は持病の腰痛を悪化させて途中休場した。春巡業の終盤には相撲を取る稽古を再開した矢先、新たなアクシデントが発生。横審の山内昌之委員長(東大名誉教授)は「心配ですね。元気に土俵に上がってくれればいいんですけど…」と本場所への影響を懸念した。

 その照ノ富士は、番付発表前の4月27日に都内で「照ノ富士全国後援会」の設立パーティーを開催。会場のホテルには1000人以上が詰めかけるなど、大盛況となった。しかも、夏場所は過去に初優勝を含めて賜杯を4度手にしているゲンのいい場所でもある。「すごく高いモチベーションで場所に向かっている」(部屋関係者)との証言もあった中で、不安を露呈した格好となった。

 先場所は同部屋の幕内尊富士が110年ぶりとなる新入幕優勝を達成。一方で、4大関は優勝争いから脱落して幕尻力士に独走を許す失態を演じた。番付の権威を保つ意味でも、横綱の復活が待たれるところだが…。果たして、どうなるか。