新日本プロレス4日福岡国際センター大会でIWGPヘビー級王者のジョン・モクスリー(38=AEW)に挑戦する「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」の成田蓮(26)が、スーパースターの〝野毛送還〟を予告した。外敵王者ながら新日本への敬意を示すモクスリーが「ヤングライオン」の単語をたびたび口にすることにイチャモン。何とも理不尽な新日本の入門テスト受験からの出直しを要求した。

 成田は2日に福岡市内で行われた公開調印式でモクスリーと対峙。王者からは「ヤングライオン時代から新日本で経験を積んで、自分を特別な存在だと思い込んでいるかもしれない。俺に言わせればお前は子供のようなものだ」と挑発的な言葉を投げかけられた。

 終了後に本紙の取材に応じた成田は「飛行機トラブルという言い訳を使って敵前逃亡せず、そのベルトを血で汚さないで日本に持ってきたことだけはほめてやる」といきなり悪態。モクスリーが2019年10月の両国大会に飛行機トラブルで来日できず、当時保持していたIWGP US王座を返上した不遇を一方的に〝敵前逃亡〟と決めつけつつ来日を歓迎した。

 他団体所属選手として約15年ぶりに新日本の最高峰王座を奪取したモクスリーは、団体とIWGPの歴史に敬意を示している。しかし偏屈な成田は、その言葉に懐疑的な態度を崩さない。「ことあるごとに『ヤングライオン』の言葉を使ってきてるけど、けなしてるんだかリスペクトしてるんだかよく分からねえな。経験してないことを偉そうに口にするくらいなら、俺に負けたら新日本の入門テストを受けてゼロからやり直せ」とむちゃくちゃな論理を展開した。

 世界最大団体のWWE、そして現在所属するAEWの両方でトップに立ったモクスリーが今さら新日本のヤングライオンからキャリアを再スタートさせることなど、天地がひっくり返ってもありえない。それでも「育ちが悪いからハードコアだの有刺鉄線だの、凶器に頼った試合ばかりやってるんだろ。凶器を使うなんて言語道断なんだよ。お前、プッシュアップバーをどう使うかも知らないだろ。野毛の道場でプッシュアップバーの使い方を一から教わって、ヤングライオンとして出直すチャンスを俺が与えてやるよ」となぜか上から目線で提案。プッシュアップバーを改造して凶器として使用している男とは思えない言葉だ。

 昨年末に所属していたユニット「ストロングスタイル」に唾を吐きH.O.Tに電撃加入した成田は「新日本プロレスの厳しさも知らないヤツに、俺が本当の〝ストロングスタイル〟を教えてやる」と皮肉めいた宣戦布告。至宝奪回の先陣を切る挑戦者は、本当にこの男で良かったのだろうか…。