F1の王者レッドブルにまた激震が走っている。

 レッドブルでは天才マシンデザイナーのエイドリアン・ニューウェイ氏(65)が退団を発表して常勝軍団の崩壊が懸念される中、今度は現場監督としてらつ腕を振るってきたジョナサン・ウィートリー・スポーツディレクター(SD=56)の退団が浮上していると英紙「タイムズ」が報じた。

 英メディア「GPブログ」は「ウィートリーは高く評価されている。F1パドックにいる他のチームもそれを知っている」と早くも争奪戦になりつつあると指摘。移籍先の〝本命〟になっているのが、ザウバーを買収して2026年から参戦するアウディだ。

「ウィートリーにとって抜群に適しているのは、野心的なアウディのプロジェクトだ。プロジェクトは勢いを増しており、最初のドライバーとしてニコ・ヒュルケンベルグが確保され、数十人の新しいスタッフが採用され、予算は無限にあるように見える。そして、すべてをマネジメントする人物が必要だ。CEOのアンドレア・ザイドルは背後から統率する人物であり、グランプリでピットウォールに座ることを望んでいるわけではない」と指摘。現場監督としてチームを指揮する〝名将〟であるウィートリー氏がターゲットになり、招へいを画策しているというのだ。

「ウィートリーは長年の経験のおかげで、F1で最高のチームの一つに変えることがどのようなものか知っている人物だということだ。ウィートリーは、絶対的なトップに到達するために何が必要かを正確に指摘できる勝者だ。さらに、彼の技術的知識は非常に優れているため、興味深い機能をもたらすことができる」と同メディアは太鼓判。「ウィートリーが現在市場に出ていることから、アウディにとって疑いの余地はない。新チームのF1での成功を助けるのにふさわしい人物である」と名将の引き抜きで、レッドブルに代わる常勝軍団を築く構えだ。

 レッドブルからの人材流出は止まりそうになく、今後はF1戦国時代の到来となりそうだ。