雨天中止となった12日の中日戦(マツダ)で広島のベテラン・秋山翔吾外野手(36)が「招待」していたひとり親家庭の親子12組30人に、誠実さ溢れる一面を披露した。

 この日の中日戦は西武時代の15年から、自らが慈善活動として取り組む「ひとり親家庭」の親子を招待し、試合を見せる予定もあいにくの空模様のため、これが実現不可能に。〝ならば〟とばかりに、招待した親子12組30人を、全体練習を行った室内練習場に練習見学に招くと、秋山の取り組みに賛同する新井貴浩監督(47)も、サインや記念写真でひと肌脱いだ。

 練習を終えた秋山は、再び親子のもとへ足を運び、今度は〝幻〟となってしまった試合のチケットを自ら招待した親子に手渡し。サインを走らせ、記念撮影会を行うなど、試合を楽しみにしていた親子に目一杯のファンサービスを敢行した。最後に「また機会があれば、ぜひ球場にきて応援してもらいたいなと思いますので、皆さんも家族仲良く元気で過ごしてほしいなと思います」と招待した親子に向けてあいさつ。〝特別な〟体験に親子も感激の拍手で感謝していた。

 試合を見せることはかなわずも、濃密な交流を図った秋山は「すごい雨なので中止になってしまいましたけど、新井監督がああやって配慮してくださって、本当に僕もありがたかった」と、その趣旨に賛同し、親子と交流を持ってくれた指揮官への感謝も忘れなかった。