弘前ねぷたまつり(8月1〜7日)まで約1カ月となった30日、青森県弘前市の茂森新町ねぷた同好会は、市内のねぷた小屋で、扇ねぷたの骨組みを作る「柱建て」を行った。小屋に集まった約20人が、骨組みの素材となる木材を手に、間近に迫った本番に向けて汗を流した。

 弘前の扇ねぷたは鉄製の骨組みが主流となる中、同会は1973年の発足以来、木材で骨組みを作り続けている。同会の小山内稔会長は「伝統を受け継ぐという面もあるが、鉄は価格が高く、保管中にさびる恐れがある。木材なら自分たちで補修でき、コスト面でも優れている」と語る。

 この日は午前9時ごろに作業を開始。町内の有志たちが電動工具や金づちで、木材をボルトで固定。約2時間後には、高さ6メートル25センチの扇形の骨組みが姿を現した。作業終了後は神事を行い、安全を祈願した。

 扇ねぷたは7月21日に絵張りをする予定。ねぷた絵師三浦呑龍さんが、三国志を題材にしたねぷた絵を描くという。小山内会長は本番に向け「けがなく楽しく運行できるよう心がけたい」と意気込んだ。