町田市内中学校の全員給食に向け、整備が進んでいる。2025年度までに、給食センターが3カ所(鶴川、南、町田忠生小山エリア)に建設されるほか、堺にある既存の給食室1つが改修される予定になっている。

共働き家庭の増加など、家庭環境の変化や食の多様性が進む中、学校給食を通じて、子どもたちが豊かな食生活を過ごし、健やかな暮らしを送る土台の形成を目的とする。現在、希望者には一食ごとに分けられたランチボックス形式で提供しているが、温度や味について改善を求める声が多く上がっていた。

適温で

今回の整備で、各給食センターで複数校分を調理し、昼食の時間までに各学校へ届ける方式となる。センターで作られた料理は、断熱性の高い「食缶」に入れて運ばれ、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、適温で食べられるようになるという。

2020年頃に行われた町田市給食問題協議会に対する諮問で、「全員給食」「食缶形式」「市所有施設」「給食センター方式で取り組むべき」とまとめられた答申が実現に近づく形だ。

現在、中学や小学校などに通う4人の子どもをもつ市内に住む母親のひとりは「現在、中学生の子どもの弁当をつくっているが、共働きのなか大変。小学生の子どもが中学生になる頃には給食が出るように聞いた。負担が減りうれしい」と中学校の全員給食を歓迎。「私のまわりのママ友も喜んでいる」と話している。

「以外」の活用も

給食センターが新たに設置されるのは、広場や公園内など。そのため、地域のスポーツ振興やつながりの場が減るのではないかという意見もあるが、給食センターの中に市民の使える共有の場を作り、防災の備蓄をするなど、給食を作る以外の活用も考案されている。

町田忠生小山エリアでは、隣接する土地に身体障害者にも使いやすいスポーツ施設が作られる予定で、その利用者が休憩や会議をできるような、カフェを併設する計画になっているという。