青葉区しらとり台の神鳥前川神社で4月21日、大切な人形やぬいぐるみに別れを告げる人形祭が行われた=写真。

「長い間、身の回りに置いて大切にしてきた人形には『みたま』が宿る」と同神社。近年は終活の一環として多くの申し込みがあり、今年は360件、千体以上の人形が持ち込まれたという。当日は人形のみたまを形代(かたしろ)に移し、焼納して天へと返す神事が行われた。

参列した緑区在住の70代の夫妻は息子が独立したことを機に、五月飾りを出すことにしたと話す。最近は飾っていなかったそうだが、「普通のごみで出したくなかった」との思いから人形祭に出すことにしたという。夫妻は「子どもは順調に成長してくれた。寂しい気持ちだが、感謝の思い」と別れを惜しんでいた。

豊浦崇男宮司は「おみたまは人形に最初からあるわけではなく、大切にしてきたからこそ宿ったもの。今まで人形に癒されてきた、勇気づけられてきた、その感謝の気持ちを伝えられたら」と神事を振り返っていた。