子どもから高齢者、障害者に健常者、福祉事業者に利用者など、地域で活動するさまざまな人たちが準備段階から共同して実施するイベント「福祉カーニバルin橋本」が6月2日に橋本周辺で開催される。福祉関係者から発信する新しいまちづくりの形に地域活性化への期待が寄せられる。

高齢者の介護施設に障害者の作業所、双方の利用者らが共に手を取り合い橋本地区で初めて開催されるイベントに「地域の課題を解決する一助になれば」と話す、実行委員会代表の横山雅弥さん=人物風土記で紹介。横山さんは昨年1月、橋本に就労継続支援B型作業所を開設。日を追うごと「地域とつながりたい、市民と福祉を結び付けたい」の思いが強くなったという。自らも視覚障害のある横山さんは「事業者は発信方法や地域とのつながり方が分からず、利用者は選択に苦労する。どの地域でもある課題を解決したいと思った」ときっかけを語る。

社会参加と地域交流

地域の福祉職の仲間と「福祉を知ってもらうイベントを開催しよう」と決め、実行委員会を立ち上げたのは今年の2月頃。必要な費用は区の地域活性化事業交付金を活用しようと考え、申請に必要なメンバー5人(団体)を探すことに。「橋本地域」に限定しての声掛けだったが賛同者はすぐに集まった。それらメンバーで実行委員会を発足。「社会参加と地域交流」「地域の福祉事業者と顔見知りになってもらいたい」の2大テーマを掲げ、4月25日に開かれた橋本地区まちづくり会議で趣旨を説明、交付金の承認を得た。

横山さんによると、「福祉」とひとまとめで言っても高齢者と障害者の事業所が共にイベントを企画することや、当事者が運営に参加することは「ほぼない」という。「高齢者や障害者にも社会的役割や存在価値を持たせてあげたい。それが地域参加やまちづくりにつながると思うんです」

「みんな」で普及啓発

イベントを周知するポスターは橋本の作業所に通う石田萌さん(市内在住)が担当した。小さい頃から絵が好きだという石田さんは「地域の人に助けられてここまで来た。皆さんに喜んでもらえてうれしい」と笑顔を見せた。普及啓発や当日の会場整理なども障害の有無や年齢に関わらず皆で行う。横山さんは「イベントが成功したら定期開催したい。そして、他の地区で同じようなテーマの催しを実施する手助けができたら」と展望を述べた。

「福祉カーニバルin橋本」は6月2日(日)、橋本公園とサン・エールさがみはらで開催。午前11時から午後3時まで。橋本公園ではバルーンアート体験やアイシングクッキー作り、似顔絵、塗り絵、おもちゃ広場、不用品無料回収、キッチンカー、飲食物販など、サン・エールではマジックショーや発見マッピングの展示などを実施する。

問い合わせは、横山さん【携帯電話】080・2375・1213。