実は内気な記者。人目を気にせず、いつでも気軽に商品を購入できる自動販売機が好きで、よく利用する。最近では、一風変わったものもチラホラ。三浦を巡ってみた。

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「キャベツ300円って、ありえないでしょ」

スーパーで妻がイライラしている。今は彼女をそっとしておいた方がいい。きっと八つ当たりに合うはずだから。

家庭円満に導くべく、向かったのは高円坊。畑の中にフレッシュな野菜を販売する自販機があるからだ。ロッカー式で、透明な扉から中身を確認可能。ほら、やっぱり。春キャベツが150円で売っていた。(5月中旬時点)。これで我が家のリビングは明るくなる。

自販機を管理する「まるげん農園」の鈴木政子さんによると、三浦縦貫道路の林IC〜高円坊方面が開通する少し前に設置。毎朝採れたての野菜に入れ替えるという。「あまり儲からないけれど、三浦野菜の美味しさを伝えたい」と今後は冷蔵庫で漬物も販売予定。

市内には他にも生産物自販機が数多く点在。なぜなのか。三浦市農協の加藤勝典組合長は「昔から直売所はあったが、人件費や箱代、運搬料が掛からないので安く提供できる」とした上で「貯金箱に小銭を入れずに盗まれることもあった。そんな理由で増えたのでは」と分析。何と世知辛い。

変わり種も。京急・三崎口駅構内の1番線ホームには「三浦半島パンと畑の直売所」という自販機がある。「法塔ベーカリー」のパンや「安田養鶏場」の卵など、その名の通り地場食材が手に入る。「SDGsBOX」なる扉を覗くと期限の近いパンが入っていた。エコでお得なコーナーだ。

城ヶ島バス停前には、京急バスのデザインを施した自販機が。レトロでキュートで島にマッチ。皆さんも探してみては。