各種文化活動の振興と市民文化の向上に取り組む中原区文化協会の新会長に、原修一氏(75)が就任した。4月26日の総会で選出され、任期は2年。原会長は「中原区は伝統的な文化や著名人が多く、重みと責任を感じる」との思いを抱く。

協会は1969年に発足し、現在は39団体・34個人が加盟(今年3月末時点)。年間で最大の催しは、発足以来実施し55回の歴史を誇る「中原区文化祭」だ。昨年も日本舞踊やフラダンスなどの「舞台」、生け花や書・絵画の「展示」、「茶会」や「菊花展」など30以上のプログラムで開催。日頃の活動の成果を発表する場となっている。

近年は、後進の育成にも力を入れる。生け花や琴を教える「子ども文化講座」、舞踊や茶華道、腹話術や手話ダンスを児童が体験できる「子ども芸術祭」など工夫を凝らす。原会長は「魅力的な芸術や文化を、見て触れて、体験できる機会を増やしたい」と意気込む。

新会長としてもう一つテーマに掲げるのは、市民生活も文化と捉え、豊かなまちづくりに貢献すること。「例えば、川崎の食、遊び、地酒、農業や建築など全てが文化であり、その融合でまちが形成されている。まちづくりの一翼を担い、発展に寄与できるよう取り組んでいきたい」という。

酒屋を経営し20年、市議会議員として26年、JAセレサ川崎では組合長など12年務めた原氏。これらの経験を、協会活動にもいかすつもりだ。「議員の頃は武蔵小杉の再開発に尽力したが、文化面ではまだもの足りない部分がある。通過駅ではなく目的駅となるよう、今年の市制100周年とも連携し、川崎市の文化と魅力を発信していきたい」と力を込める。