市では、辻堂東海岸の旧辻堂市民センター・公民館について、今秋以降に建物を取り壊す工事を行う。5月上旬から地域に周知が行われており、撤去後の敷地は売却する方針で、決定するまでの期間は暫定的な活用を模索する。

旧辻堂市民センター・公民館は、老朽化に伴い2021年8月に使用を停止。住民票の交付などの行政事務窓口や地域団体の支援、福祉手続きなどについて、現在は辻堂西海岸の新しい施設で行っている。

同センターによると、移転後、利用がない状態でも建物の維持管理に年間約160万円(22年度)の費用が発生しているという。市企画政策課では、新たな施設があることで古い建物の活用見込みがなくなったため、売却の方針を決めた。

撤去工事は今年11月頃に始まり、25年7月頃に終了予定。敷地面積は約3000平方メートルで、取り壊し後は売却の方針だ。売却が決定するまでは暫定的に活用するが、内容は「今後検討していく」という。公共施設の暫定活用については、移転した旧南市民図書館を文化財の収蔵庫に使用している例がある。

建物撤去と暫定活用について近くに住む60代男性は「市民サークルなどが使える施設など、地域のためになる使い方をしてもらえたら」と話す。