座間警察署(佐々木進署長)で20日、警察官がボクシングを学ぶ研修会が開かれ、署員47人が受講した。

強盗や暴行などの凶悪犯罪が全国的に増加するなか、犯人の制圧が従来にも増して重要視され、武道に加え格闘技のボクシングの技術も取り入れようとこの日の研修が準備された。講師には川崎新田ボクシングジムの会長で元東洋太平洋バンタム級王者の新田渉世さん(56)を招き、仕事や日常生活での挫折や失敗に対する向き合い方について話も聞いた。

ボクシングの指導では、ジャブやストレートの打ち方やパンチのかわし方などプロボクサーのテクニックが次々と披露され、新田会長と署員による疑似スパーリングも行われた。新田会長とこぶしを合わせた署員は、「犯人制圧時には殴られたり凶器で攻撃されることもあり、参考になった」と話していた。

佐々木署長は「失敗への向き合い方やボクシングの防御術は署員の安全な職務執行に活かしたい」と話し、新田会長は「挫折や失敗をしても負けに負けずに立ち上がればまた次のチャンスは来る。立ち上がることの重要性を署員に伝えられたら」と、この日の講義に手ごたえを話していた。