厚木市妻田在住の水墨画家・又村和夫さんの卒寿を記念した「又村ファミリー展」が、5月30日(木)から6月3日(月)までアミューあつぎ5階で開催される。このために描いた作品のほか、家族、親類を含め13人による多彩な分野の作品が展示される。

和夫さんが水墨画を始めたのは60歳のとき。息子の仲人の画家から祝いにもらったスズメと鶏の絵に感動し、紹介された先生について習い始めた。開始半年で出品した展覧会で初受賞し、以来数々の受賞を続け、2011年には県水墨画公募展で文部科学大臣賞も獲得した。師事する先生を変え、「今も勉強中」。

今回のファミリー展は、息子の秀(しげる)さん(66)が昨年5月にコンテストで金賞を受賞し本紙で紹介した際に、今後の抱負として「父の卒寿記念にファミリー展を開催する」と話したことから。「公言した以上やらないとね」と和夫さん。

結局、和夫さんの水墨画以外に、いずれも教室を開設する秀さんのハンギングバスケットや秀さんの妻の里実さんのシャドーボックスのほか、和夫さんの弟や妹、秀夫妻の娘を含め13人が出品。ジャンルも漆芸や版画、空き缶造形、イラスト、絵手紙、写真、書道など多岐にわたる。

メインとなるのは、和夫氏がこのために描いた「九十羽の雀」。ふすまに貼り付けて展示する。

「傘寿の際に80羽を描いたので今回は90羽に。絵になるとこんなにたくさんになるのか。自分の人生もこんなにたくさんいろいろなことがあったんだなと感じる。同じ雀は描いていません」と思いを語る。

「自ら作品を飾るのはおこがましいという気持ちがあるが、半面、家族やまわりの人たちに応援されているということを実感でき、うれしい。皆さんに感謝したい」

ファミリー展は、あつぎアートギャラリー3で期間中午前10時から午後5時。問合せは、又村秀さん【携帯電話】090・9154・8783へ。