人には、相手が自分のことを話してくれたら、自分も相手に自分のことを話しやすくなる性質があるからです。事実、私が川崎市出身であることを話すと、「私も川崎出身なんです」「先週末、川崎駅のショッピングセンターに行って……」みたいな話が返ってきます。

こうしたことをきっかけに、再びオープンクエスチョンを駆使することで、相手のことを知ることができます。人は、知らない人には自分の話はしたくありません。まずは、自分から自分のことを話すこと。そうすることで、会話しやすくなっていくはずです。

「うなずく」ことで安心感を与えられる

③相手の話は「うなずいて聞く」

傾聴という言葉を聞いたことがありますか。簡単にいえば、「相手の話に耳を傾ける」ということ。相手の話を聞くときに、相手の立場になって気持ちに共感しながら聞くことです。

相手を知るためのポイントの3つめは、この「傾聴」です。傾聴は、アメリカの心理学者であるカール・ロジャーズが提唱した「積極的傾聴(Active Listening)」の技法のひとつで、ロジャーズの3原則と呼ばれています。

出所:『仕事は1枚の表にまとめなさい。』

 これをもっと簡単に言い換えると、下記のようになります。

出所:『仕事は1枚の表にまとめなさい。』

まずは、意識的にうなずくことから始めてください。相手の話に「うん、うん」「はい、ええ」と、うなずくだけです。そうすると、その後に否定されようが肯定されようが、とにかく「聞いてもらえている」という安心感を覚えます。