“そもそも論”をぶち上げると、それまでその話し合いに携わってきた人たちみんなが「間違っている」と全否定されることになります。

これは、会話に新しく入ってきたばかりの人や、自分が高学歴で人より優秀だと思っている人が陥りがちなミスです。

仕事のシチュエーションにおいても同じです。

会議にもいろいろありますが、コンセプトやテーマが既に決まっている場合は、その方向性でできるだけ多くのアイデアを出しあうのが会議の目的です。

どんなに期待のされる新人や優秀な人材でも、この“そもそも論”を口走ってしまうと、その会議に次から呼ばれなくなる可能性大です。

実際にそうした轍を踏んで、消えていった若い人や優秀な人を僕は今まで何人も見ています。

そもそも論をぶち上げる前に、会議に臨む大前提として、会議のメンバーをよく理解し、それまで積み上げられてきた仕事に敬意を払う必要があります。

会議でウケる人は、他者へのリスペクトを忘れません。

話を「少しでも短く」まとめる

話すのに慣れてきたら、次は「話す時間」を意識しましょう。ポイントは「できる限り短くまとめる」ことです。

「おはようございます」

朝のテレビ番組で司会者がにこやかにそうあいさつする時間は、いったい何秒ぐらいだと思いますか?

実は、1秒もかかりません。「9文字で約0.8秒」です。テレビ番組は、視聴者を飽きさせないようにテンポよく進行させる必要があるため、秒単位で動いています。

もし5秒でもズレたら大ごとです。次のコーナーで5秒縮めるように調整することで、バランスをとる必要が出てきます。

テレビ番組の台本は僕のような放送作家が書くわけですが、駆け出しの頃はいつも「文章が長い! 原稿は2行以上書くなっ!」と、先輩に怒られていました。

プロのアナウンサーさんやタレントさんは、台本をパッと見ただけでスラスラよどみなく話せますが、2行以上のセリフだとそうはいかないからです。