普通ならゴミ箱に捨てるしかない、犬も食わない愚痴や苦労話を最高におもしろいコンテンツへと昇華していくこの番組と、「愛」と「糞」を同時に曲に込める星野源はまさに親和性の塊、今回が初めてなのが不思議でしょうがない。そしてそんなふたつがついに出会ってしまった。文字どおり奇跡の回だった。

そしてもうひとつ、本編とは別の奇跡が起こっていたのにお気づきだろうか。星野源には忘れてはならない最大の武器がある。そう「エロ」である(④)。

『あちこちオードリー』のニューヨーク、小島瑠璃子ゲスト回で、兄弟番組『かちこちオードリー』が爆誕し、SNS上では星野源回との内容の差に「落差が激し過ぎる」「先週のかちこちオードリーはなんだったんだ」といった声が挙がっていたが、勘違いしないでいただきたい。番組の流れ上、ああいった真剣ガチトークになってはいたが、星野源は紛れもなく『かちこちオードリー』側の男であると。どれだけ売れようが、誰と一緒になろうが、TENGA愛を語り、FANZA愛を叫ぶ、星野源のエロと性に対する探究心は常軌を逸している。いや、むしろ星野源こそが「真のかちこちオードリー」と言っても過言ではない。(⑤)

今回は売れるまでの葛藤や創作をする上での苦悩を語っていたが、もしまた番組ゲストで出演することがあるのなら、ぜひ『かちこちオードリー星野源SP』を放送してほしい。ニューヨークも交えて5人で「自分磨きトーク」をしてほしい。そう強く思った。

(クイック・ジャパン ウェブ「星野源の嘘のなさを『あちこちオードリー』で改めて感じた」より)

どんな文体だろうと書き続ければ自分の文章に

ブログの記事ではほとんど使わない「あれど②」、「だろうか③」、「である④」といった少し硬い言い回しを使い、「冷静な大人としての文章」の体裁を整えています。

しかし、星野源を表す表現に関しては少し情熱を混ぜる①⑤。イメージとしては、決められたコースを走るレーシングカーの感覚です。冷静さを保ちつつも、変えるべきポイントでは情熱を混ぜて、少しアクセルを踏む。これが「FMの文章」です。

●どこで(場所)

●誰に(読者)

●どんな(内容)

この「文章の3D」を意識し、多面体のように文体を変えていく。

繰り返しになりますが、どんな文体だろうと「その人間が」書き続けていれば自分の血肉となり個性となっていきます。

最初はなかなか反応がもらえないこともあると思います。でも諦めないでください。私も最初はそうでした。 しかし、ブログの読者数が一桁のときから内容や文体を試行錯誤し、休まずに10年書き続けたからこそ、今の自分を手に入れました。

あなたも文章を書き続けていれば、自分の名前を明かさなくても「◯◯さんの文章かと思ったらやっぱり◯◯さんだった」と言われる日がきっと来ます。 そして、自分自身が文章そのものになる。その感覚を味わってみてください。

著者:かんそう