「モノ」から「コト」へ消費様式が変化してきたとはよく言われることだが、さらに今は「トキ」という要素が重視されるようになってきたらしい。何かを体験するだけでなく、イベント等に主体的に関わり、さらにその体験を他者と共有することで、ユニークな価値を持たせようとするもののようだ。

そうした変化を受けて、消費の場である商業施設の戦略も変わってきているようだ。例えば2024年4月17日に開業した東急プラザ原宿は、施設内に老舗銭湯を導入。地域住民も巻き込みながら、街全体の魅力アップを図る施設を目指している。

変わりつつある商業施設の「戦略」

これに続き、4月26日にオープンを迎えたのが五反田JPビルディングだ。2015年に閉館した、ホールや結婚式場、ホテルなどの複合施設「ゆうぽうと」の跡地に再開発されたもので、事業主は日本郵政の子会社である日本郵政不動産。

新たに生まれ変わったビルも、旧ゆうぽうとの担っていた文化的側面を引き継ぐ形で、ホテル、オフィス、シェアオフィス、ホール、フードホールなどを備える施設となっている。ホテルは星野リゾート、ホールは品川区、シェアオフィスは都内3カ所でシェアオフィスを企画運営する「春蒔プロジェクト」が運営を行う。

【画像】五反田JPビルディングに開店した「食堂とだか」の「ウニ・オン・ザ煮玉子」や、生パスタ専門店「おいしいパスタ」など(11枚)