2022年から2023年にかけて、被害総額約7億円にも及ぶ、投資トラブルで話題となったお笑いコンビ・TKOの木本武宏さん。長年所属した松竹芸能を退社するなど、大きな変化がありました。そんな木本さんが語る”戒め”とは?

木本さんの書籍『おいしい話なんてこの世にはない どん底を見たベテラン芸人がいまさら気づいた56のこと』より一部抜粋・再構成してお届けします。

投資はギャンブルではないと思っていた

TKOとして芸能活動を再開してから、まず立ち上げたのがYouTubeの「TKOチャンネル」です。いまだに、いろいろと作法を学びながら試行錯誤を重ねていますが、以前から親しくつき合ってきた芸人さんと「相互乗り入れ」のコラボを数多くやらせていただきました。

そんな中、勝俣州和さんのチャンネルでこんな意味の指摘をされました。

「投資なんてギャンブルなんだから、それが失敗したからといって、あれこれいわれるのはおかしい。木本くんだって責任取る必要ないじゃん」

その言葉に、僕はハッとしました。

そして思い知らされました。投資とギャンブルが傍からは同じように見えるのだと。僕は、FXや不動産への投資をギャンブルとは考えていなかったからです。

騒動になってあちこちから指摘を受けましたが、僕がお金を預けた人間は、金融商品取引法の届出登録すら行っていませんでした。違法な無登録業者だったのです。恥ずかしいことに、僕はそうした投資に関する法律すら確認をしていませんでした。