僕は、

「信用されること」

「人から信用を失うのがなによりも一番怖いこと」

をモットーに生きてきました。それは父からも口すっぱくいわれてきたことでした。

さらに、”説教キャラ木本”は、周りの人間にも「人から信用されるのが大事やで」と声を大きくして伝えてきた人間だったのです。

投資トラブルによって大暴落した信用

その自分が、多くの人からの信用を失う過ちを犯しました。

僕はそのとき、芸人・TKO木本武宏は「詰んだ」と思いました。それ以上に人間・木本武宏の信用が「地に落ちた」と感じました。

小学校のときからリーダーシップを発揮して「これはおもろいで」と周りにたくさんのものごとを”推し活”してきました。芸人になってからも、それは続いていました。

家電芸人として、「木本きっかけで売れた」「木本きっかけで芸能界に浸透した」アイテムがいくつもありました。それが可能だったのは、僕の周りを巻き込む話術と、「木本がいうことなら間違いない」という信用があったからにほかなりません。

それが、投資トラブルによって大暴落したのです。

「人から信用されること」の裏返しに、「人を信用すること」があります。そこでも僕はしくじってしまいました。FXの運用を任せていたAという男とは、家族ぐるみでつき合っていたつもりです。彼だけでなく、母親とも電話をする仲でしたから。僕としてはファミリーに裏切られるのは完全に想定外。こちらはファミリーと思って信頼していましたし、向こうも同様だと疑いもしませんでした。そこが僕の甘さです。

また、別の意味で「ああ、そうなんや」と思い知らされたことがありました。