「ついつい『いや』と答えることがある」「気がつくと自分の話をしている」「いつの間にか大声になっていることがある」。どれかに心当たりがあるあなたは、立派な「老害」予備軍かもしれません。

ですが、ちょっとした振る舞いや気の持ち方をあらためるだけで、「老害の人」ではなく「幸せな老人」になることができると、医学博士で医師の平松類氏はいいます。まずは、自分では気づきにくい「老害」の兆候をつかむことからはじめてみましょう。

※本稿は平松氏の著書『「老害の人」にならないコツ』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

「同世代の変化」が教えてくれる老害の可能性

「老害」という概念は、イコール世代間ギャップではありません。この記事を読んでいる方には、世界保健機関(WHO)が定義する「高齢者=65歳以上の人」も多いかと思います。

あなたと同世代の配偶者、親戚、友人、同僚、社会コミュニティの仲間などに、「もうろくしてきたな」とか、「年をとって頑固になった」などと切に感じる人はいないでしょうか。それは、あなたがその人のことを「老害」認定しているのと同義になります。

人間というものは、自分の体の機能低下にはなかなか気づけない一方、他人の変化にはよく気づくものですからね。つまりこれは、あなたも同世代の他人から「老害」とみなされている可能性もあるということを意味します。この構図が、時にやっかいな状況を生んでしまうのです。