今年2月、福島県のJR鏡石駅前で、高齢ドライバーが大学生2人を死傷させた事故の初公判が30日に開かれ、検察は禁錮3年6か月を求刑しました。

過失運転致死傷の罪に問われているのは、鏡石町の面川秀子(おもかわ・ひでこ)被告(72)です。

面川被告は今年2月15日、軽乗用車を運転中、JR鏡石駅前で一時停止する際、ブレーキと間違えてアクセルペダルを踏み続け、男女2人をはねて19歳の男子大学生を死亡させたほか、女子大学生に全治約3か月のけがをさせたとされています。

30日、福島地裁郡山支部で開かれた初公判で、面川被告は大きく一礼して法廷に入りました。そして、裁判官から「起訴内容について間違いありませんか」と尋ねられ「ありません」と涙ぐみながら答え、起訴内容を認めました。

面川被告は、検察から「運転の際に事故の予防策は取っていたか」と問われると、「常に間違ってはいけないと頭にはあった」と答えました。

「若い尊い命を…」被告は終始荒い呼吸で涙ぐむ

裁判は30日に結審し、検察側は「被害者と遺族の苦痛は想像を絶するものがあり、結果が重大」として、禁錮3年6か月を求刑しました。

一方、弁護側は「被告に交通関係の前科と違反歴はなく、運転を差し控える事情はなかった。ニ度と運転しないと深く反省している」として、執行猶予つきの判決を求めました。

裁判の間、終始荒い呼吸で涙ぐんでいた面川被告。最後に「若い尊い命を奪ってしまった。本当に申し訳ないことをした。許されることではないが、重く受け止めてこれから生活に向き合う」と述べました。

判決は、5月13日に言い渡されます。

裁判が開かれた福島地裁郡山支部