名前はよく耳にする昆虫「ゲンゴロウ」と「タガメ」…しかしその数は減っていて、例を挙げれば、富山県内では希少生物をまとめた「レッドデータブック」に“絶滅種”として指定される見込みとなっています。しかし、そのいないはずのゲンゴロウを富山県内で撮影したという映像が視聴者から寄せられました。現場に行くと、記者が見る限り確かにいるー。専門家に確認してもらうと、意外な事実がわかりました。
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昔は水田や池などで見かけることができた「ゲンゴロウ」と「タガメ」。最近は見かけないと思いませんか?
ゲンゴロウは絶滅が危惧され、水田が広がるコメどころの富山県でも、タガメと合わせて2025年に希少生物をまとめた「レッドデータブックとやま」に絶滅種として指定される見込みです。
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そんななか、チューリップテレビに「ゲンゴロウ」ではないかという映像が視聴者から届きました。そこには黒いシルエットの何かが田んぼの中を泳いでいます。
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そして、送られてきたもう一つの映像には、確かに「ゲンゴロウ」のような昆虫が映っています。場所は砺波市の水田。
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撮影した男性:「ゲンゴロウが絶滅種だとは知らなかったぐらいやから、普通におるわと思ったんですけど、確かに、そのあと見に来てみたら、確かにそんなにいないな…」
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取材に訪れたこの日、記者も一緒に探してみると…。
撮影した男性:「あれじゃない。あれ、あれ」「ほらおった。おった。おったやろ。小学生みたいな気持ちになる」
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実際にゲンゴロウのような昆虫を見つけることができました。
これが実際にゲンゴロウならば、小矢部市で1993年を最後に確認されて以降、およそ30年ぶりの発見になります。
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鑑定やいかに…専門家に直撃
水生昆虫に詳しい富山市科学博物館の岩田朋文学芸員に映像を確認してもらいました。
まずは、こちら
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水生昆虫に詳しい富山市科学博物館
岩田朋文 学芸員:
「あ、これですね!これは、コガムシという水生昆虫で残念ながら、いま紹介したゲンゴロウとは違う」
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違う種類の昆虫でした。
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それでは、もう一つの映像に映っているこの昆虫は?これこそゲンゴロウでは?
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水生昆虫に詳しい富山市科学博物館
岩田朋文 学芸員:
「これはですね。コシマゲンゴロウという種で、ゲンゴロウではあるんですけど、残念ながらこれも富山県内では結構見られるので、たまたまお見かけになったようですね」
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残念ながら、こちらは絶滅種にあたる「ゲンゴロウ」ではありませんでした。
ゲンゴロウは100種以上いた
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水生昆虫に詳しい富山市科学博物館
岩田朋文 学芸員:
「実はゲンゴロウにもたくさんの種がいて、日本だけでも100種以上見つかっています。絶滅したと考えられると言ったのは、この種のゲンゴロウでして、国内で最大級で4、5センチあります。なので、それ以外の小さな種だったら、まだ県内で見られるものもいるので、きちんと区物して調べる必要があります」
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ゲンゴロウ減少の原因は外来種や水辺の開発
岩田学芸員は、ゲンゴロウが富山県内からいなくなってしまった大きな原因を水辺の開発や、アメリカザリガニなど外来種の増加で、生息に適した環境が減ったことを指摘します。そして、意外にもゲンゴロウが日本だけで100種類以上いることがわかりました。
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水生昆虫に詳しい富山市科学博物館
岩田朋文 学芸員:
「色んな方が、この種に興味を持ってくださったようで、現に私のところにも10件ほどは、これはゲンゴロウではないかという問い合わせがあってですね。残念ながらすべて違う個体ではあるんですけど、感心が高まったのは非常に良いことだなと思っています」
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今回撮影されたものは「違う昆虫」と「種類の違うゲンゴロウ」でしたが、希少種を発見したときは、県などに情報提供してほしいと岩田学芸員は呼びかけています。