いま、国内飲料メーカーによる、オレンジジュースの販売休止が相次いでいます。お店の棚に並んでいることが当たり前の定番ジュースに、何が起きているのでしょうか。

■相次ぐ販売休止 円安の影響危惧

 森永乳業の『サンキスト100%オレンジ』ですが、原材料がなくなり次第、販売休止となる予定だと、4月25日に発表されました。現時点では、販売休止は6月ごろになるとみられています。

 雪印メグミルクの『Doleオレンジ100%』は、一部のサイズを除き、2023年4月に販売休止となりました。

 アサヒ飲料の『バヤリースオレンジ』の1.5リットルは、2023年12月から販売休止となっています。

販売休止の主な商品

 その理由です。日本は、オレンジ果汁の輸入の58.9%をブラジルに頼っているのですが、そのブラジルのオレンジが、天候不順や病気のまん延によって不作となっています。

輸出大国・ブラジルの不作

 また、ブラジルは、世界のオレンジ果汁供給量の75%を占めているため、世界的な不足となる中、さらに円安が追い打ちをかけています。

 1リットルあたりの『冷凍濃縮オレンジ果汁』の輸入価格は年々高騰し、2024年は、4年前に比べ2倍以上になるとみられ、日本の飲料メーカーがオレンジ果汁を輸入しづらい状況となっています。

世界的な果汁不足に円安が追い打ち

 農業経済学が専門の東京大学大学院の鈴木特任教授は、「毎年のように起きる異常気象で、世界のどこかで不作になっている。今後、何かの争奪戦になっても、日本は円安の影響で買い負ける可能性が高い」と円安の影響を危惧しています。

東京大学大学院 鈴木宣弘特任教授

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年5月1日放送分より)