■水位低下でリニア工事“いったん中断”

 岐阜県瑞浪市大湫町に起きている異変、それは…。

大湫町住民
「これ井戸です。まさか、この水が枯れるなんて」

 一体、なぜこのような事態に…。

 影響しているとみられているのがリニア中央新幹線の工事です。瑞浪市を横断するリニア中央新幹線の「日吉トンネル」。

 このトンネルは2018年から掘削工事が始まりました。JR東海によりますと、去年12月と今年2月、瑞浪市大湫町内でのトンネル工事中に湧水を確認。そして2月下旬、町内に設置した観測用井戸で水が減り始めたことが確認されました。

大湫町住民
「洗濯機を使っていたらカラカラとおかしな音がするので見に行ったら水が出ていなくて、蛇口を止めて(水が)枯れたと思って」

 周辺の調査で、町内の約35軒が使用している清水水源が2月と3月の時点で水が枯れたといいます。

 JR東海は3月と今月13日に地域住民に水位の低下や観測についての説明会を開催。新たに井戸を掘ったり、代わりとなる水源の確保や井戸水が減った家庭が上水道を井戸に引き込むための工事費、また水道料金などの補償についても話しました。

大湫町 纐纈富久区長会長
「(住民からは)工事を止めろ。代替の水源を確保しろと上がった」

大湫町住民
「『工事を1回止めて振り返れ』と何回も言ったが、工事は続けると。下手するとここら辺の畑も枯れて作物ができない可能性がある」

 一方で、JR東海の応急対策によって生活に影響がないと話す住民も…。

大湫町住民
「JR東海と『もし枯れたらどうするか』と打ち合わせしていた。(対策後は)上水道の水を使っているので、全く不便はない」

 瑞浪市と大湫町の住民代表は今後、岐阜県と連携して対策を進めたいとしています。

岐阜県 古田肇知事
「住民生活に直結する問題で、強い懸念を抱いている」

 JR東海は16日の会見でいったん工事を中断し、ボーリング調査を実施すると明らかにしました。

JR東海 丹羽俊介社長
「(工事現場では)現在も湧水が続いているが、湧水の減少対策を準備ができ次第、実施する予定です。引き続き、専門家に相談しながらトンネル掘削との関係を調査して必要な対策を講じるとともに真摯に対応していく」