26日、発生した台風1号。発達しながら北上し、列島に警報級の大雨をもたらす恐れがあります。

■台風1号北上中 列島に“警報級”大雨の恐れ

吹き荒れる風とともに、大きく揺れる街路樹。横殴りの雨が地面を叩きつけています。
(フィリピン レイテ島)「みなさん、これが台風です」
フィリピンで大雨をもたらした熱帯低気圧は26日、台風1号に。統計史上7番目の遅さでの発生となりましたが、いきなり日本列島に影響が出る可能性も。台風1号は発達しながら北上し、今後、暴風域をともなって、沖縄の南の海上まで進む予想です。
台風本体が遠くにあっても注意が必要です。思い返されるのは去年のほぼ同じ時期に発生した台風2号です。台風北上によって湿った空気が梅雨前線を刺激、本州でも記録的な大雨となり、各地で被害が相次ぎました。全国で6人が亡くなり、1万棟以上の建物が床下浸水などの被害を受けました。週明けは水曜日にかけて大雨になり、特に九州から関東にかけ雨量がまとまり、警報級となる恐れが出てきています。

■沖縄〜関東 広い範囲で厳重警戒 スタジオ解説

(小木逸平アナウンサー)ここからはテレビ朝日ウェザーセンター手塚悠介気象予報士に聞いていきます。
Q.「台風1号」最新の進路はどうなりそう?
(手塚悠介気象予報士)■現在のフィリピンから、今後、北東方向へ進んでいく。直接的な影響は大東島地方や伊豆諸島が中心。

Q.日本列島にはそこまで近づかないようだが、影響は懸念される?
(手塚悠介気象予報士)■本州付近でも大雨の恐れ。梅雨前線に向かって、台風からの湿った風が流れ込み、前線が活発化、大雨のリスクがある。

Q.去年も大雨の季節に入った直後に台風が前線を刺激して、各地でかなりの浸水被害が出たが、今回は?
(手塚悠介気象予報士)■気象条件は似ているが、去年は東海〜四国で計11回の線状降水帯が発生。今回はこれほど大規模なものではないと予想しているが、一部には線状降水帯のリスクがある。
■特に警戒は火曜日、九州南部に活発な雨雲が線状にかかっている。これが停滞すると線状降水帯になり得る。午後になると大雨のエリアが東に移動。近畿、さらには夜になると東海、関東でも土砂降りになる。関東でも活発な雨雲が数時間にわたってかかる。

Q.去年6月の大雨では、線状降水帯が発生しなかった都内でも冠水被害が起きたが、今回も同じような事が起き得る?
(手塚悠介気象予報士)■十分に考えられる。1時間に30mm以上で降ると冠水の恐れがある。雷や突風にも注意が必要。

Q.警戒が必要な時間帯、いつ頃?
(手塚悠介気象予報士)■月曜日に関して、低気圧が一時的に通過、短い時間で激しく降る雨になる。特に警戒は火曜日、九州・四国では午前中が中心、中国・近畿では昼頃、東海・関東では火曜夜から水曜朝にかけて警戒。

(小木逸平アナウンサー)大雨が予想される28日から「線状降水帯」発生予測情報の新しい運用が始まるが。
(手塚悠介気象予報士)■線状降水帯の発生予測について、現在は東海など「地方単位」で出されているが、28日から原則「府県単位」で発表されるようになる。エリアが広い北海道は7つの地域に分けて、細かく発表されるようになる。防災情報として役立てていただければと思う。


5月26日『サンデーステーション』より