ウクライナの情報機関がロシア軍の部隊からネパール人兵士が集団で脱走しているとの分析を明らかにしました。

 ウクライナ国防省情報総局は1日、ロシアが実効支配するウクライナ東部ルハンシク州のロシア軍部隊からネパール人兵士が集団で脱走しているとして資料を公開しました。

 脱走の理由としては、犠牲を顧みない「肉弾攻撃」や死が確実な命令を拒否した際に行われる超法規的な処刑、給与の不払いなどが挙げられています。

 ウクライナ国防省情報総局は、ネパール人兵士らが母国に戻ったとしてもロシア軍の一員としてウクライナへの敵対行為に参加したことで訴追される可能性があると指摘しています。

 ネパールでは、山岳民族出身の「グルカ兵」が協定で認められたイギリス軍やインド軍に所属する以外は、国民が外国の軍隊に入ることは禁止されています。

 ネパール外務省はロシアに対し、兵役に就いているネパール人兵士を帰国させることや新たな採用をやめることを求めています。

 イギリスBBCによりますと、ロシア軍に入隊したネパール人は少なくとも数百人に上るとみられています。

 また、ウクライナとの戦争が長期化するなか、ロシア軍はネパールのほかにもジョージアやシリア、リビアなどからも兵士を集めているとされています。