大島商船高専で男子学生がいじめを苦に自殺してから8年です。

命日の5月21日、なくなった男子学生をしのび再発防止のシンボルとなる庭園が完成しました。

男子学生が飛び降りた校舎の前で遺族や教職員が花を供え、黙とうをささげました。

2016年5月21日未明、当時1年の男子学生がクラスメート9人によるいじめが原因で自殺しました。今年3月、事件を風化させてほしくないとの願いを込めて遺族が学校の敷地内に常緑ヤマボウシを植樹しました。

周囲にテーブルやイスを設置して、庭園が完成しました。中央の石碑には「あなたが笑顔でいることをいのって」と書かれています。

男子学生が15歳のときに20歳の自分に宛てて書いた手紙の一文から抜粋し、実際の文字を拡大して石に刻みました。

遺族・男子学生の母親
「どんなに時が流れても、いじめで命を落とした学生がいるという事実を風化させず、二度とこのような悲しみが起こらないよう」

学校側は、いじめていたとされる9人と卒業後もSNSなどで連絡を取っているということです。しかし、対面での指導ができていないため、9人の親に「学校が学生と直接会って話をしたい」という内容の手紙を送ったということです。

遺族・男子学生の母親
「加害学生が、自分はそういうつもりでやってない、とかそんなのはいじめじゃないという思いがある中で、それがいじめにあたるっていうことをやはりきちんと、卒業してからも指導しますよって言われたので、そこはやはり今までの長い期間を考えるともうちょっとしてくださってもよかったのかなっていう思いは遺族としてはあります」

息子の死から8年。

今後も、いじめたとされるクラスメートとの対面を粘り強く求めていきたいとしています。