ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝2ndレグ、ローマvsミランが18日にスタディオ・オリンピコで行われ、ホームのローマが2-1で勝利した。この結果、2戦合計3-1としたローマの準決勝進出が決定した。

先週にサン・シーロで行われたイタリア勢対決初戦は、マンチーニの虎の子の1点を守り抜いたアウェイのローマがウノゼロで勝利した。

近年、苦戦したミラン相手にセリエAでのラツィオ戦に続き会心のウノゼロ勝利を収めたローマ。先週末のウディネーゼ戦はエンディカの健康問題によって試合途中に中止となるアクシデントに見舞われたが、幸いなことにエンディカは大事に至らず。緊急搬送された後にはチームで病院に見舞いを行い一体感を示しつつ、この試合当日にはデ・ロッシ監督の契約延長合意も発表され、良い形で熱狂のオリンピコでのリターンレグを迎えた。1stレグからはサスペンションのクリスタンテの代役にボーヴェを起用した以外同じメンバーで臨んだ。

一方、公式戦7連勝と絶好調の状態で臨んだ1stレグでよもやの敗戦を喫したミラン。さらに、一部主力を温存して臨んだサッスオーロ戦では3-3のドローに終わってセリエAでの連勝も「5」でストップした。リーグ次節に宿敵インテルの優勝が懸かるデルビー・ディ・ミラノを控える中、逆転での4強入りを狙った一戦では1stレグから先発2人を変更。チャウとラインデルスに代えてトモリ、ムサを起用した。

荘厳なコレオグラフィーとホームサポーターによる『ローマ、ローマ、ローマ』の大合唱によって幕を開けたイタリア勢対決第2ラウンド。
ローマは前回対戦同様にエル・シャーラウィを右に配置する[4-2-3-1]でスタート。対するミランはテオ・エルナンデス、レオンの左サイド、カラブリアの偽SBと外側に張るムサの右サイドのユニットを起点に攻め手を窺っていく。

キックオフ直後はミランが押し込んだものの、前回対戦同様に収まりがいいルカクとディバラを起点にローマが得意のカウンターで押し返すと、ここ数試合で決定力が光るジャッロロッシのセンターバックがまたも決定的な仕事を果たす。

12分、意表を突く攻撃参加で相手ボックス左付近まで攻め上がったマンチーニがペナルティアーク横で浮いたペッレグリーニに横パス。ペッレグリーニの右足シュートを右ポストを叩くが、ゴール前でこぼれにいち早く反応したマンチーニが冷静に左足で流し込んだ。

2試合連続でマンチーニにゴールを決められて2点のビハインドを背負ったミランは、すぐさま反撃を開始。プリシックが徐々に存在感を示し始めて右サイドを起点に良い形を作り出す。すると、20分にはボックス右でこぼれ球に反応したロフタス=チークがピッチに叩きつける右足ボレーでゴールを狙うが、DFに触られたシュートは惜しくもクロスバーを叩いた。

このピンチを凌いだローマは直後の22分に今度は頼れるアタッカー陣が決定力を発揮する。自陣中央のペッレグリーニからの縦パスに抜け出したルカクがDFガッビアを吹き飛ばしてボックス内に侵入。カバーに入ったテオもかわして折り返したボールはガッビアのクリアに遭うが、ボックス右でこぼれに反応したディバラが得意の角度から左足のコントロールシュートをゴール左隅に突き刺した。

この連続ゴールで早くも勝負ありかに思われたが、ローマに続けてアクシデントが起こる。右足の違和感を訴えたルカクがベンチに下がってエイブラハムがスクランブル投入されると、直後の31分にはレオンの突破に対してDFチェリクが後ろからスライディングタックルを見舞うと、足裏が完全に足を捉えてしまい、レッドカードが掲示された。

依然として3点ビハインドも数的優位を手にしたミランは、ここから一気に攻勢を強めていく。その中でエル・シャーラウィがサイドバックを埋める形となった相手の右サイドをレオン、テオのコンビで執拗に突くと、35分にはそのレオンの折り返しを中央のロフタス=チークがフリーでヘディングシュート。だが、これはDFスピナッツォーラの身体を張ったブロックに遭う。

その後、前半終盤にかけてミランはベナセルを下げてヨビッチを投入し前線の枚数を増やすと、ローマもディバラを下げてジョレンテを投入。すぐさま右サイドの守備にテコ入れを図った。何とか前半のうちにゴールをこじ開けたいアウェイチームがリスクを冒して前に出たが、ローマの集中した守備を崩し切るまでには至らなかった。

迎えた後半、ミランはカラブリアとロフタス=チークを下げてラインデルス、チュクウェゼを投入。ムサを右サイドバックに移してより攻撃的な布陣で臨む。引き続き押し込んでいくと、ボックス付近でヨビッチやプリシックらが足を振っていくが、要所を締めるローマの守備に手を焼く。

序盤の守勢を撥ね返したローマは、ペッレグリーニやエル・シャーラウィ、エイブラハムといった前線の選手がうまく時間を作りながら、前がかりな相手を引っくり返して決定機も創出。いずれもエル・シャーラウィの見事なお膳立てからスピナッツォーラ、エイブラハムにあわや3点目というチャンスが舞い込むが、ここはGKメニャンの好守などに阻まれる。

後半半ばを過ぎてミランはプリシックとムサを諦めて古巣対戦のフロレンツィ、オカフォーを投入。20分以上を残して5枚の交代カードを使い切る。これに対してローマは中盤で奮闘したペッレグリーニ、ボーヴェを下げてレナト・サンチェス、アンヘリーニョの投入で守備の強度を高める。

その後、ミランは85分に左CKの流れからレオンのクロスをニアに飛び込んだガッビアが頭で合わせてようやく1点を返す。だが、失点後も慌てた様子を見せずに高い集中力を見せたローマを前にこれ以上ゴールを奪うことはできなかった。

そして、見事な決定力とチェリク退場後はチーム一丸となった魂の堅守でリードを守り切ったローマがミランに連勝し、2シーズン連続の準決勝進出を決定。その準決勝では今季未だ無敗を継続するレバークーゼンと再び対峙することになった。

ミランvsローマの同国対決など
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