アメリカン・スポーツカーを代表するのがフォード「マスタング」です。1964年の初代誕生以来、代を重ねること7世代。いまでは「世界でもっとも販売されるスポーツカー」にまで成長しています。そんなマスタング誕生60周年を祝い、米国で限定車が登場しました。

1965台限定のスペシャルなモデル

 米国Ford(フォード)は2024年4月17日、米国シャーロット モーター スピードウェイにて、同社のスポーツモデル「Mustang(マスタング)」誕生60周年を記念するイベントを開催しました。

 初代マスタングは、1964年4月に開催されたニューヨーク万国博覧会で世界初公開された2ドアクーペ、およびオープンモデルで、登場以来今年で60周年という長い歴史を持っています。米国では「ポニーカー」というあだ名でも知られています。

 低価格でコンパクト、そして「フルチョイスシステム」と呼ばれる多数のオプションを設定し、自分好みの1台に仕上げられる販売手法も相まって、初代マスタングは大ヒットとなりました。

 以来、1974年に登場した2代目、1979年登場の3代目、1994年に登場した4代目、2005年登場の5代目、2015年登場の6代目と進化を続けてきました。現行型は2022年9月に世界初公開された7代目です。
 
 日本でもフォード・ジャパンが輸入販売、2016年9月にフォード・ジャパンが撤退するまでは多くのマスタングが日本で販売されました。先代となる6代目マスタングは2014年10月に登場、歴代マスタングとしては初めて右ハンドル車も設定されました。 

 現在でも世界的に人気が高いスポーツモデルです。2023年には5万9000台以上を販売、過去10年間でも100万台近いマスタングが販売されています。「世界でもっとも販売されているスポーツカー」の座を9年間維持しています。

 おもに北米市場が販売の中心となるモデルですが、2024年には中国や欧州、オーストラリア、南米などでも発売されます。

 今回、誕生60周年を記念して、1965台限定の「マスタング60周年記念パッケージ」モデルが米国で登場しました。

 現行型マスタングには、2.3リッター直列4気筒ターボ「EcoBoost」と、マスタング史上もっともパワフルな5.0リッターV型8気筒「コヨーテ」と、2つの新エンジンが用意されますが、今回記念パッケージが用意されるのはコヨーテエンジン搭載モデルの上位グレード「マスタングGT」です。

 トランスミッションは標準の6速MTのほか、10速ATも選択できます。マスタングGTの6速MTモデルには、変速の際に自動的にエンジン回転数を合わせるレブマッチングを搭載。これにより変速時にもピークトルクが維持され、制度や洗練性がさらに向上するといいます。

 ボディは「2ドアクーペ」「2ドアカブリオレ」の両方に用意されます。

 マスタング60周年記念パッケージは1965年に発売された初代モデルのクラシックなスタイルを継承。「現代のスポーツカーとしてのマスタングに忠実でありながら、65年の雰囲気を再現した」といいます。

 フェンダーとトランクリッドにある特別な60周年記念バッジは、1965年マスタングの七宝焼きバッジを現代風にアレンジしたもので、20インチホイールも、1965年の初代マスタングのセンターキャップにインスパイアされたバーミリオンレッドのレトロテーマの型押しアルミニウムセンターキャップを特徴としています。

 またフロントグリルは初代を彷彿とさせるメッシュデザインを採用。ボディ色はクラシックなウィンブルドンホワイト、モダンなレースレッド、ヴェイパーブルーの3色から選択できます。

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 マスタング60周年記念パッケージは2024年夏に米国で注文が可能となります。車両価格は未定です。