「ネオトーキョー」よりミラー型前後ドライブレコーダーの「ミラーカム3」がリリースされました。ミラー型ドラレコのスタンダードとして大きな支持を得た「ミラーカム2」のアップグレード版としてリニューアルされた本作の進化について、ブランドの開発担当者に聞きました。

●定番ミラー型ドラレコも熟成の時代へ

 “ミラー型ドラレコ”とは、ドライブレコーダーのカメラで録画した画像を、ルームミラー型の液晶モニタに映してミラーとしても使うことのできるドライブレコーダーのこと。

 車内にギアを満載しがちなキャンパーにとって、リアカメラの映像で後方を確認できるミラー型ドラレコは一度使ったらやめられないガジェットでもあります。

 最近は新車にも装備されるなど一般化していますが、後づけで気軽に愛車をミラー型ドラレコ化できる定番モデルと言えるのが、ネオトーキョーより2024年2月に登場した「ミラーカム3(MRC-2024)」(3万2800円、消費税込)です。

 2023年に発売された「ミラーカム2(MRC-2022)」の後継機である本作を、クルマ好きVAGUEスタッフが1ヶ月間実際に使用しその実力をチェック。ブランド担当者に開発のこだわりを聞きました。

●爆光液晶で大幅アップデート!

「ミラーカム3」の基本スペックは、前後カメラともソニー製IMX307センサーを採用し、フルHD(1920×1080ドット、リアは補完により2.5k)の高解像度の画像を10.88インチIPS液晶に映し出すというもの。取りつけは、純正ミラーに付属のゴムバンドで固定し、シガーソケットにつなぐだけと簡単です。

 衝撃を検知すると動画ファイルが保護される機能や、ループ録画、音声同時録音、キーのオンで自動録画開始、オフで自動シャットダウンなどの基本機能はもちろん搭載しています。

 ミラーカムシリーズについてネオトーキョーの担当者は「ミラー型ドラレコのスタンダードモデルという位置づけで、多くのドライバーにとって必要かつ十分な機能を提供したいというコンセプトで開発しています」と説明します。

 基本的にミラー型ドラレコは、超広角のドラレコ映像をミラー画面に映すため、後続車が小さく見えるという特性がありますが、ミラーカムシリーズでは、独自のリアカメラズーム機能により画像をトリミングして拡大表示することができるのも大きなポイント。

 もちろん前後カメラで録画した動画は、超広角&高解像度のフルサイズの状態でMicroSDカードに保存されます。

「最新作最大のポイントは、色の再現度とより明るい高輝度液晶パネルを採用したこと。それだけでなく、内部基盤やケーブルをはじめ、排熱システムや熱管理用のソフトウェアまで一新しています」(担当者)

 見た目のデザインは完成度の高かった前作と“ほぼ”変わらない本作。その内部はオープンカーユーザーから寄せられた「晴天でももっと見やすく」というリクエストに応えた仕上がりとなっているのだそう。

「前作の『ミラーカム2』と見た目がかなり似ていますので、『モデルチェンジは簡単だったでしょう』と思われるのですが、かなり大変でした。高輝度の液晶は発熱量も多いため、熱対策のためにハード・ソフト面ともほぼ全域にわたっての作り直しが必要。ファームウエアは発売開始の前日まで修正していたほどです(笑)」(担当者)

 筆者は一年ほど、前作「ミラーカム2」をなんの不満もなく愛用しています。ですが、「ミラーカム3」でドライブすると、その明るさと見やすさに驚かされます。

 例えば夜間、車道のわきにある歩道のすみなどは暗くなりがちでしたが、「ミラーカム3」では歩行者の有無がはっきりと確認できます。旧型で昼も夜も光量不足を感じたことはありませんでしたが、夜間の見やすさがUPすることは文句なしに嬉しいポイント。自動輝度調整機能も自然に動作するので違和感はありません。

「開発にあたり、市場で人気のモデルをいくつかテストしましたが、高性能カメラの搭載を謳っていても、チューニング不足で高画質を引き出しきれていないモデルも少なくないんです。ですから、カタログスペックとコスパだけで安価なミラー型ドラレコを選んで『期待していたのと何か違う、ミラー型ドラレコってこんなものか』と思われるケースも。

画像処理のチューニングにはかなり気を配っているので、新型のユーザーからは『とにかく明るい、見やすくなった』というご意見をいただいています」(担当者)

 ミラー型ドラレコの普及が進むにつれ、新しく登場するモデルも増えましたが、それだけに選び方が難しいのも事実。

「チューニングの良し悪しどころか、スペック表記とは異なるセンサーを搭載し、明るく補正したCG画像を公開しているブランドまであります。ですのでネオトーキョーでは、実際の撮影データを加工することなく掲載しているのでミラー型ドラレコ選びの参考になるかと思います」(担当者)

「必要不可欠な機能に加え、耐久性にもこだわって作っています」という「ミラーカム3」。

クルマの内部は夏には70℃、真冬にはマイナス10℃を下回ることも珍しくありません。そういった過酷な環境で確実に動作することが求められるミラー型ドラレコには、テストと開発に手間をかけたモデルを選ぶことが大切のようです。

●製品仕様
・型番:MRC-2024
・価格:3万2800円
・本体サイズ:横257mm×高88mm×厚み18mm(フック部除く)
・スクリーン:10.88インチIPS液晶 解像度1920×480 輝度1200cd/㎡
・カメラセンサー:ソニー製IMX307
・カメラ画角:D124°/H102°/V53°(フロント)、D140°/H112°/V60°(リア)
・動画解像度:1080p@27.5fps(フロント)、1440p@25fps(リア)
・動画フォーマット:TS
・シガーソケット電源ケーブル定格入力:12-24V、定格出力:5V/3.5A
・動画記録媒体:microSDカード(Class10対応最大128GB、32GB/Class10付属)
・機能:衝撃検知ファイル上書き保護、HDR/WDR搭載、ループ録画機能、音声同時録音、電源入力で自動録画開始/電源切断で自動シャットダウン、リアカメラ上下反転
・オプション:GPSユニット(発売日未定)